君を想う〜第1章…3

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会議室に入るとメンバーがエリーさんの二日酔いをからかっていた。








「あ、市野辺さん！」
岩田さんが私を見つけて真っ先に駆け寄ってきて、その声にメンバー全員がこちらを振り返る。




奥に座っていた登坂さんと目が合い、ドキッとして思わず視線を逸らした。


「昨日、先に潰れちゃってすみませんでした。メンバーに絡まれませんでした？」

ニコニコ笑顔の岩田さんに

「って言うか、先に私に謝れ！」

青ちゃんがぐいっと私の前に出てきて岩田さんの頭をペチッと叩いた。





「すごいねー、青ちゃん、天下の王子をその扱い。」

岩田さんの背後から直人が楽しそうに顔を出して…

青ちゃんの顔は一気に真っ赤に。


「A、後でちょっと話せないか？」
ふっと真剣な表情になった直人に、少し不安になりながら「いいよ。」と返事した時に…




「始めるぞ。」

燈護とHIROさんが入ってきた。







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例年通りらしい年越しまでの過密スケジュールの確認後は正月休み明けの話へ。





「前にも言ってたけど、新曲のMV、ハワイで撮るけど…」


そこまで言って燈護の視線が私でとまった。






ん？







何？








「急だけど、同行予定だったスタッフの妊娠が
先日判明した。
…交代要員で片倉と市野辺に同行させることにした。」





「はい。」
「はい？」






返事した青ちゃんと、質問した私。


「え？市野辺さん聞いてなかったんですか？」
小声で聞いてきた青ちゃんに無言で頷くと




「あぁ、市野辺に行かせるの決めたのついさっきだから。」

しれーっと答える燈護に唖然とした後軽く睨みつける。




…燈護…



…後で叩きのめす。




打ち合わせが終わって、部屋を出ようとすると



「市野辺さん！」
呼び止めた声の主は今市さん。

「はい？」

「ちょっと。」

「え？え？」

周囲の視線を感じながら廊下へと手を掴まれて連れて行かれて…




「本当は昨日聞こうと思ってたんだけど、酔っ払っちゃって。」
へへっと笑った彼は







「食うもの…何が好き？」
ふにゃんと首を傾げた。

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