君を想う〜第1章…3

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「「…………………………」」






自分の頰に、今市さんの素肌の感触…







抱きしめられるように腕の中にはまった私。








「…あの…下で車待ってるので…急いで下さいね。」
動揺を隠しながら、そっと離れる。








「…すみません…。今すぐ着替えますから！」

バタバタと廊下の向こうへ消えた今市さんは
「…そう言えば、もう体調大丈夫ですか？」
首だけヒョコっと出して私に聞いた。


「この通り、全快です！すみません。ご心配ありがとうございます。」


「ん。良かった。」

ふにゃんと笑ってまた消えた今市さん。





そこからは…





歯磨きしてる音と…





顔を洗ってる音と…





クローゼットを開くような音が聞こえて…






次に私の前に現れた彼は…







モコモコのジャケットに、キャップを深く被っていた。







「今日、寒いんだって。外で撮影あったら…市野辺さん、寒いよ？」







そう言って…







コート1枚の私を見つめた今市さんは…








「はい。追加アイテム。」


ニコニコしながら、すぽっと私にニットキャップを被せて…


もふもふのマフラーをくるくるっと巻きつけた。







「一気にあったかくなりました。…今市さんの匂いがします。」





「え？？臭い？？」
慌てた彼に、思わず吹き出してしまう。





「いえ。今市さんも皆さんもいつもとても良い匂いです。あ、変態みたいですみません。」






「いや、良かったー臭いのかと思ったじゃん。」


ホッとした顔になった彼は、靴を履くと



「お待たせしました！行きましょう！」









…









私の手を引いた。

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