君を想う〜第1章…1

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「大丈夫ですか！？」






今度は急いで登坂さんに駆け寄ると…







パシっ








彼はニヤッと笑って、私の腕を掴んだ。








「騙されたー。」








…









「…騙されてませんよ。」





「え？」





「痛いのは本当でしょう？涙目ですよ？」






「…市野辺さん…マジで怖い…。観察眼が半端ない。」






「いたって普通です。ほら、悪化したら大変です。座ってて下さい。私、食事の準備しますから。」







ため息をついて、コートとバックをフローリングに置く。








「…あ…ちゃんと市野辺さんの分もご飯よそって下さいね。」








「…かしこまりました。」









「…市野辺さん。」








「何でしょう？」








「堅いです。一晩寝たらリセットかかっちゃいました？」







「…スタッフと担当アーティストなので。昨日が間違いでした。」







「…うちのスタッフでそんな堅い人いないですよ。」







「………では、一号ですね。光栄です。」








「…直人さんにはあんな感じなのに。」








「直人は別物です。あれは。」








「そのあれが、俺らのリーダーなんですけど。」









「……………非常にお気の毒です…。」









「………………ですよね？やっぱり？」








そう言って、想像していた味とは違うものを口にしたみたいな変な顔をした登坂さんに…









「……ぷっ………くくっ…あはは！」









…









思わず笑ってしまった。

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