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岩side
「…市野辺さん……あの……」
すみません…
そう言おうとした時
市野辺さんは、俺をベットの上に座らせると、俺の言葉を遮るように言った。
「岩田さん、大変申し訳ありません。私の手配ミスで、ドクターの到着が1時間後になります。それまで、申し訳ありませんが横になっていて下さい。」
「…え?」
「…ほら、早く。」
彼女は俺を寝かせると、布団をかけて…
ほんの少しだけ俺に視線を向けた後…
洗面台の方に行って…
ホットタオルとアイスマスク、そして濡れていないタオルを差し出して…
「…交互に使って下さい。目の腫れを抑えられます。」
そう言うと、ほんの一瞬、その目元を優しくさせて部屋から出て行った。
…
自分が泣いていることに気づいたのは、彼女がいなくなってからだった。
…1時間後
ぐっすり眠っていた俺は、いつの間にか来ていたドクターが診察している気配で目を覚ました。
「…すまない。起こしてしまったね。…一本点滴だけするよ?原因は疲れだから、少し休むといい。」
丸顔の優しい笑顔のドクターに安心して、まどろんでいた時…
“…先生すみません。無理言って時間をずらして頂いて…。”
“いやいや、的確な判断だよ。彼に今必要だったのは休養だからね。点滴は気休めにしかならない。眠ることが1番だ。”
意識を手放す直前に…廊下から聞こえて来る2人の会話を聞いて…
…
俺はこの日から市野辺さんを目で追うようになっていた。
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瑞穂(プロフ) - 久しぶりに、来てみたら、大好きなまるさんの作品に鍵がかかっていて、読めず残念です。どの作品も、大好きです。君想うは、鍵がかかっていなかったので、久しぶり読ませて頂きました!やはり素晴らしいです。また、読みに来ます! (2020年8月6日 1時) (レス) id: 800035175b (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - ◎まる◎さん» 私は長編で描写を細かく書いたり話に深みを出せる作者様が羨ましいです♪嬉しいってお言葉ありがとうございます!お互い頑張りましょう(*´ω`*) (2019年5月20日 15時) (レス) id: 8892e5e17b (このIDを非表示/違反報告)
◎まる◎(プロフ) - 薫さん» 私は短編できちんと話を完結できる書き手さんが羨ましいですー(≧∀≦)!作品拝見してドキドキしてますー(//∇//)今は長編執筆中なんですね!頑張って下さいね(^-^) (2019年5月19日 21時) (レス) id: da4fc601b2 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - ◎まる◎さん» 返信ありがとうございます!本当に面白いです。長いお話をかけるのも凄いなと思います!表現力ありありですよ!作者様の優しい気持ちになれる表現好きです。読んでくださるんですが!?拙すぎて恥ずかしいです(笑)更新頑張ってください! (2019年5月19日 20時) (レス) id: 8892e5e17b (このIDを非表示/違反報告)
◎まる◎(プロフ) - _noさん» おはようございます(≧∀≦)一気読み…すごい!長い話だから大変でしたよね(>_<)書くたびに話が長くなっていく…。今後も頑張るのでよろしくお願いします! (2019年5月19日 4時) (レス) id: da4fc601b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:◎まる◎ | 作成日時:2019年3月9日 13時