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…
「おー!A!昨日は悪かったな。臣の足捻挫だったって?」
「あ、うん。連絡しなくてごめん。」
「いいの、いいの。臣から連絡来てたから。気を遣わせちゃって朝ご飯まで作ってもらったって言ってた。」
あれから、朝ご飯を2人で食べて、片づけを終わらせた私はシャワーと着替えのために急いで登坂さんのマンションを出た。
前半ゆっくりし過ぎてしまったせいで、残っていた時間は殆どまともな会話ができなかった。
「……そんで?お泊まりしたの?」
ニヤニヤーっと笑いながら、座ってパソコンに向かっている私の顔を覗き込む直人。
「…直人。昨日言ったでしょ?」
「はいはい。違うんでしょ?わーってるって。…でもさ…」
ふと真顔になった直人が言った。
「良い奴でしょ?臣。」
…
直人の言葉に、今朝登坂さんが優しくつまんだ頰がホワッと熱を持った。
「…そうだね。…良い人だと思う。」
私の返答に満足したように微笑んだ直人は
「っで?いつにする?」
スマホの画面のスケジュールを開いている。
「いつって?」
「お前…しらばっくれんなよ。歓迎会だよ、歓迎会。」
「…本当にやるんだ…。」
「…当たり前だろ。この開催は、俺のリーダーとしての威信がかかってんだよ。」
「大げさな…」
「あ?」
「いえ、何でもないです。登坂さんの足が治って、皆さんの都合の良い時に…」
「んじゃさ…」
直人がスマホ画面のカレンダーを私に向けてきた時…
「お前ら、会議の時間だぞ。」
頭上から、呆れた声と一緒に直人の頭の上にファイルが落ちてきた。
「いってーな、燈護!ってかお前も日程教えろよ。Aの歓迎会、メンバーとするからな。」
「…歓迎会?…へぇ?ついに観念したんだ?」
見上げた先に、面白そうに笑う燈護の顔があった。
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瑞穂(プロフ) - 久しぶりに、来てみたら、大好きなまるさんの作品に鍵がかかっていて、読めず残念です。どの作品も、大好きです。君想うは、鍵がかかっていなかったので、久しぶり読ませて頂きました!やはり素晴らしいです。また、読みに来ます! (2020年8月6日 1時) (レス) id: 800035175b (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - ◎まる◎さん» 私は長編で描写を細かく書いたり話に深みを出せる作者様が羨ましいです♪嬉しいってお言葉ありがとうございます!お互い頑張りましょう(*´ω`*) (2019年5月20日 15時) (レス) id: 8892e5e17b (このIDを非表示/違反報告)
◎まる◎(プロフ) - 薫さん» 私は短編できちんと話を完結できる書き手さんが羨ましいですー(≧∀≦)!作品拝見してドキドキしてますー(//∇//)今は長編執筆中なんですね!頑張って下さいね(^-^) (2019年5月19日 21時) (レス) id: da4fc601b2 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - ◎まる◎さん» 返信ありがとうございます!本当に面白いです。長いお話をかけるのも凄いなと思います!表現力ありありですよ!作者様の優しい気持ちになれる表現好きです。読んでくださるんですが!?拙すぎて恥ずかしいです(笑)更新頑張ってください! (2019年5月19日 20時) (レス) id: 8892e5e17b (このIDを非表示/違反報告)
◎まる◎(プロフ) - _noさん» おはようございます(≧∀≦)一気読み…すごい!長い話だから大変でしたよね(>_<)書くたびに話が長くなっていく…。今後も頑張るのでよろしくお願いします! (2019年5月19日 4時) (レス) id: da4fc601b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:◎まる◎ | 作成日時:2019年3月9日 13時