sweeper 10

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臣side





Aから俺宛にメールが来たのは、蓮温のLINEの直後だった。








『もう会えません。ごめんなさい。

私は、今、久遠と一緒にいたい。

久遠の側にいてあげたい。

本当にごめんなさい。』







「…これだけ？」
別室に呼び出した直人さんに見せると苦笑い。

「そう、これだけ。あっさり振られました、俺。」
自虐的に笑いながら、スマホをポケットに突っ込む。





「Aらしいなぁ…。」

「ですよね。…言い訳はしません、これが私が出した結果です、みたいな。」

「まぁ、それもそうだけど…なんつうの、不器用な感じがさ。本当はもっと言いたいことあっただろうね。本当は好きだけど…とかさ。」

「そうですか？俺的には、やっぱり久遠のことが好きだったんだろうなって思いますよ。」

そう言って苦笑いした俺に





「…お前ら…似てるよなぁ。言葉足らずとか、不器用なとことか。」
直人さんは俺に聞こえるか聞こえないか位の声でそう言うと…





「お疲れさん。」
労わる様に、俺の肩をポンと一度叩いて部屋から出て行った。







数日後…







琴平グループの本社がNYに移ることが発表されるや否や…







『三代目登坂と琴平会長破局か！？』
そんな見出しがワイドショーや週刊誌で取り上げられ…






まだ閉鎖されていなかった琴平グループの掲示板にアクセスが殺到して








サーバーがダウンした。








ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「もしもし？エリー？」


『臣、今どこ？』


「今日は音入れ。今休憩中。何かあった？」


『…Aが…会社のホームページで臣との報道に関して正式なコメント出した。』


「……………え？」


『臣……Aが臣に伝えたかったのは、あのたったの4行なんかじゃないよ。早く見てみて。』

そう言うと、エリーは俺の返事を聞かずに電話を切った。

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