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蓮温side
あの日…
コンクリートで塞がれたドアを見た時、
3人全員が、“それ”を覚悟した。
きっと、久遠を見つけた所で、外には出られないだろう。
それでもいい。
久遠を1人でいかせずに済むなら。
1番奥のドアを勢い良く開くと、驚いて振り返った久遠。
真っ先に久遠の元へと走り寄り…平手打ちをしたのはAだった。
「1人でなんて…っ…1人でなんて死なせない!!死なせないから!………カッコつけるな…ばかぁ…!!」
久遠の胸ぐらを掴んで泣き崩れるA。
久遠は…呆れた様に笑って…
「お前のお人好しは死んでも治らないな、きっと。」
そう言うと、Aをヒョイと肩に担いだ。
「ちょっ!下ろしてよ!病人が背負う重さじゃやいから!」
「まだそこまで落ちぶれてねーよ。ったく、今なら楽に死ねるかなって思ってたのに、お前きたらこっから出なきゃならないじゃん。」
「……久遠……それが……ドアがさっきの爆発で塞がってて…逃げ道が…」
優雨が気まずそうに言うと…
「は?お前ら、本気で俺と一緒に死ぬ覚悟で来たの?」
更に呆れた顔になった後に…少し嬉しそうに…照れ臭そうに微笑んで…
「…会長のお墓に……1人で死にそびれましたって、謝りに行かなきゃな…。」
そう言うと
「…勿論、俺に抜かりはないからな。別の脱出ルートがある。付いて来い。」
そう言った背中は、昔みたいに頼もしくって、あぁ、やっと久遠が俺たちの所に帰って来てくれた。
そう実感して、胸がいっぱいになった。
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◎まる◎(プロフ) - nonさん» ありがとうございますー!番外編の感想頂けてとても嬉しいです。以前にも書いたことがありますが、私が思っていた以上にLevel Sを喜んで頂いた声が多くて嬉しい悲鳴です!今後も喜んで頂けるような作品作りに励みます! (2019年1月9日 22時) (レス) id: 1dba7527db (このIDを非表示/違反報告)
non(プロフ) - こんばんは。私はLevel Sの様なストーリー好きです。メインも素敵でしたが、隆二くんと夜優ちゃんの番外編がかっこよかったです。まるさんのストーリーはワクワクドキドキそしてきゅんもあるのでとても楽しみです。またこう言うストーリーをお願いしたいです。 (2019年1月9日 18時) (レス) id: 8206495f61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:◎まる◎ | 作成日時:2019年1月8日 4時