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臣side
「…A？」
神谷の後ろ姿をじっと見つめていたAは俺の声にようやく背後の俺たちに気づいたように驚いて振り返った。
「臣！？…皆……どうして…」
「どうしたもこうしたもねーだろ。お前、単独行動、もういい加減やめろ。」
蓮温がそう言ってAに一歩近づいた時だった。
「…だめ！動かないで！！」
Aが大きな声で静止する。
「どうしたんだよ…」
そう言って、俺も一歩近づいた時だった。
神谷の前のテーブルに…ワイングラスと……拳銃が置かれていることに気づく。
他のメンバーもハッと息を飲んで静止した。
「…神谷……拳銃をこちらへ。」
Aがそっと神谷に手を差し伸べた。
神谷は背を向けたまま、Aの声は聞こえていないかのようにワインを飲んでいる。
「…神谷…
「分かってたよ。」
神谷がワイングラスを置いた。
「俺の親父がクソみたいな男だったのは、過去を調べていればすぐに分かったさ。」
Aは無言のまま、神谷の背中を見つめている。
「…誰かに…復讐されたって仕方ないような男だった。
…じゃあ、なんでこんな事したかって？
…俺は……母親の……母さんの最期が忘れられない…。」
Aは何も言えずに唇をかみしめて目を閉じると、両手を強く握った。
俺は…彼女の隣へ立ち、彼女の手をそっと握る。
驚いたように目を開けた彼女は、俺を見上げると、泣きそうな顔で微笑んだ。
「…最近…琴平が夢に出てくるよ。」
神谷がこちらを振り返った。
「…昔よく2人で遅くまで仕事をしてて、日付が変わる頃になると“休憩しよう”ってあいつがワインを持ってきた。…その時みたいに…こうやってテーブルで向かい合って一緒に飲んでる夢を見る…。あいつは変わらない笑顔を俺に向けてこう言うんだ。
…
…
“神谷…もう良いだろう？俺もお前も十分に苦しんだ。そろそろ終わりにしないか。Aはもう、お前を許してるよ。”
……って。
…都合の良い夢だろう？」
疲れたように微笑んだ神谷を見て…
彼女の頬を涙が伝った。
「…お父様は……いつでも、言わなくても私の気持ちが分かったから。」
真っ直ぐに神谷に向かってAがそう言うと、神谷は驚いた顔をした後に…
「…親子揃ってお人好しだな。」
嬉しそうに、そう言って微笑んだ。
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◎まる◎(プロフ) - nonさん» ありがとうございますー！番外編の感想頂けてとても嬉しいです。以前にも書いたことがありますが、私が思っていた以上にLevel Sを喜んで頂いた声が多くて嬉しい悲鳴です！今後も喜んで頂けるような作品作りに励みます！ (2019年1月9日 22時) (
レス) id: 1dba7527db (このIDを非表示/違反報告)
non(プロフ) - こんばんは。私はLevel Sの様なストーリー好きです。メインも素敵でしたが、隆二くんと夜優ちゃんの番外編がかっこよかったです。まるさんのストーリーはワクワクドキドキそしてきゅんもあるのでとても楽しみです。またこう言うストーリーをお願いしたいです。 (2019年1月9日 18時) (レス) id: 8206495f61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：◎まる◎
| 作成日時：2019年1月8日 4時
