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臣side
HIROさんは、直人さんと直己さんとA以外の全員を解散させた。
人が出てくる気配を感じて、一旦別室に身を隠し、全員が居なくなったところで、再び廊下に戻る。
“そんなところで聞いているなら入ってこい。”
HIROさんの声が聞こえて来て、俺たちは、気まずそうに部屋へと入った。
Aは、俺達の気配を感じると、秘書とボディガードに廊下で待機するよう指示した。
その間も、彼女は、一度も俺たちを見ようとしなかった。
「HIROさん…何度お話しても、私が結論を変えることは絶対にありません。これは、私の問題です。ご迷惑おかけしたことは本当に申し訳なく思っています。こちらで全て対応しますので、相手方の連絡先とその写真をください。」
AがHIROさんに向かってそう告げた時…
HIROさんの携帯がなり、“少し待って”と片手を上げて電話に出たHIROさんの表情が険しくなった。
電話を切った後…
「…神谷社長が、アポなしで来たと連絡が入った。とりあえず…今日のところはうちで対応するからAちゃんは…」
言いかけたHIROさんの言葉を、Aは遮った。
「いいえ。手間が省けました。私が対応します。こちらの場所を貸してください。……HIROさんは同席しなくても大丈夫です。……それと、…全く関係ないこちらの方々も退室願いたいのですが?」
俺たちのことを見ることなく、俺たちに部屋から出ろと言ったA。
「残ります。彼女を1人にしたくありません。」
咄嗟に出た俺の言葉に…
ほんの一瞬…
ほんの一瞬だけ、彼女の口元が歪んだ気がした。
「HIROさん、時間がありません。手荒な真似はしたくないので、彼らを連れて、部屋から出てください。」
HIROさんは、俺たちのやり取りをじっと見つめた後、俺たちに向かって“ここは引け”そう言うように首を横に振り、“行くぞ”と部屋を出るよう促した。
なかなか立ち上がろうとしない俺と隆二、岩ちゃんを、2人のリーダーと健ちゃんが力づくで立ち上がらせる。
「直人さんっ!!」
俺の抗議の声に
「…分かってるから。とりあえずHIROさん信用して出ろ。」
直人さんがAに聞こえないように小さく呟いた。
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◎まる◎(プロフ) - nonさん» ありがとうございますー!番外編の感想頂けてとても嬉しいです。以前にも書いたことがありますが、私が思っていた以上にLevel Sを喜んで頂いた声が多くて嬉しい悲鳴です!今後も喜んで頂けるような作品作りに励みます! (2019年1月9日 22時) (レス) id: 1dba7527db (このIDを非表示/違反報告)
non(プロフ) - こんばんは。私はLevel Sの様なストーリー好きです。メインも素敵でしたが、隆二くんと夜優ちゃんの番外編がかっこよかったです。まるさんのストーリーはワクワクドキドキそしてきゅんもあるのでとても楽しみです。またこう言うストーリーをお願いしたいです。 (2019年1月9日 18時) (レス) id: 8206495f61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:◎まる◎ | 作成日時:2019年1月8日 4時