sweeper 9

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直人side





話の大筋はこうだった。





デビューの挨拶で、各レコード会社を回っていた時、そこにたまたま仕事で来ていた大企業の社長と出くわした。




社長は、自分の娘が彼らのファンだと言い、連絡先の交換を申し出た。




一緒にいたマネージャーは「まだ業界のいろはも知らず、失礼があっては困るので…」と直接の連絡先の交換はさせず、自分の連絡先を相手に渡した。





数日後…






メンバー数人が、一緒に事務所から帰る最中…





一台の車が彼らの前方に止まった。





窓を開けて、声をかけて来たのは、その時の社長だった。





『すごい偶然だね。これから、娘と食事に行くところだった。君たちも一緒に来ないか？』




彼が経済界でどれだけすごい人物か、前回会った時にマネージャーから聞かされていたメンバーは、断ることは失礼になると思い、車に乗り込んだ。




その場には、娘と思われる女性が2人いた。



未成年には見えなかったが、彼女達は食事中ソフトドリンクしか飲んでいなかったので、自分達も勧められたお酒は断ってウーロン茶を飲んでいた。



食事を終える頃…



社長が、電話で席を立った。



娘達は、サインが欲しいと言って彼らの側に座り、『折角の記念に、最後に、気持ちだけでも乾杯したい』とノンアルコールビールを頼んだ。




乾杯して、少し経った時、彼らは強烈な睡魔に襲われた。




そして…




…気付いたときには、部屋には誰もいず、




自分たちが眠っていたことに気付いた。




後で店員に確認すると…





最後に注文されていたのは、アルコールの入ったビールだった。





「そして…先日、弁護士が数枚の写真を持ってここに来た。…これがその写真だ。」








…









そこには…泥酔したメンバーと、その間に座って泣きそうな顔をした2人の女。








「未成年と知っていて、無理やり酒を飲まされた、と言って来ている。」









「「すみません！！！」」

その場にはいなかった、大樹と世界が立ち上がって、深く頭を下げた。

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