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咲苺side
今回の任務は…
…最初から…
…何故か嫌な予感がしていた。
…余りにもすぐに集まる情報…
…依頼人の…
…嘘くさい涙…
「…辞めておこう。」
優雨の反対を押し切ったのは…
A様だった。
今回の依頼が…
…あの男も絡んでいる…
そんな、情報を手に入れたから。
「焦るな。」
蓮温の言葉もA様には届いていなかった。
5年追いかけた男にやっと辿り着けるかもしれない…
A様の気持ちは痛いほど分かったから…
最終的に私達が折れることになった。
『皆……ごめん。罠だった。』
イヤフォンから聞こえるA様の元気のない声。
『反省は後でたっぷり聞いてやるから、まずはここから抜けるぞ。』
ターゲットの屋敷から私と蓮温、A様は、三方向で逃走中だった。
屋敷の外では、優雨が車をスタンバイしている。
最初に外に出たのは私。
車に乗り込んで待つと…
…すぐに蓮温も出てきた。
…A様…
祈るように、出てくる予定の窓を見つめていて…
現れた人影にホッとした…
…
その時だった。
窓枠に足をかけたA様の動きが止まった。
「あいつ…何してんだよ!!」
蓮温が車から降りて、窓の方向に向かって走り出す。
A様は金縛りにあった様に…
一点を見つめて動かず…
私は…
視界の端に拳銃を構えている男を捉えた。
「A様!!!!!」
私の叫び声と同時に…
パンッ
鳴り響いた銃声…
そして…
A様の身体は…
ふわりと窓の外へと落下した。
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作者名:◎まる◎ | 作成日時:2018年10月23日 20時