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臣side
「…こ……腰が抜けた……。」
ヘナヘナと座り込む彼女を、颯爽と現れてお姫様抱っこで抱き上げたのは、やっぱり蓮温。
「…もう限界です。控え室に戻ります。」
蓮温が無表情でそう言うと…
その迫力にスタッフがたじろいだ。
「…えっと…琴平さん、これでオールアップでーす!」
会場内から拍手がわいて、スタッフの1人が蓮温に抱き上げられた状態のAに花束を渡した。
彼女は、恥ずかしそうに
「…最後、こんな格好悪くてごめんなさいね?」
そう言うと、嬉しそうに花束を受け取った。
「では…」
そう言ってさっさと立ち去ろうとする蓮温を…
「…ストップ!!」
引き止めたのは
直人さん。
キョトンとしているAと
「…何でしょう?」無表情で立ち止まった蓮温。
「お礼に…飯行きません?今日、メンバーで飯会なんです。A、寿司食べたくない?」
「…結構…
「食べたーい!!!」
断りかけた蓮温の声は、Aの声でかき消された。
「琴平グループのトップが…食い物で釣られるなんて…。」
蓮温は…呆れたように…腕の中で目をキラキラさせてるAを観た後…
確かに…
俺達が彼女を見るのと同じように
愛おしい顔で彼女を見つめた。
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作者名:◎まる◎ | 作成日時:2018年10月23日 20時