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「…ねぇ…皆、明日仕事だよね?起きれるの?」
仕事がひと段落して私が帰り支度を始めると…
「よーし、んじゃ、帰るかー!」
直人がメンバーに向かって声をかけた。
…え?
「…もしかして…私終わるの待っててくれたの?」
恐る恐る聞くと…
「んー?ってか、Aが今日俺らのMVに付き合ってくれた方でしょ?」
ぐーっと伸びをしながらソファーから立ち上がった隆二がこっちを見た。
「いや…それは自分で決めたことだから…。」
「それなら、俺らも自分で決めてここにいたから気にすんな。」
臣がキャップを深く被った。
「A、明日…って、もう今日か。今日は何してんの?」
エレベーターに乗り込みながら剛典に聞かれて…
思い出す。
「蓮温!例の、明日…じゃなくて今日持ってくから!言い忘れてた!」
私の言葉に
はあ?って振り返った蓮温。
「お前…早く言えよ…。」
「だって、午後急に空いたんだもん!手配、よろしく。」
蓮温のため息がエレベーターに響いて
「明日??例の??」
興味津々の剛典。
「…先日、無人島で皆さんが見つけた梧平の家族が見つかったんですよ。お骨を引き取るとおっしゃっていて、届けに行くことに。」
私の代わりに優雨が答えた。
「よく見つかりましたね。」
直己さんに
「…絶対に見つけ出せ、見つけ出すまで帰ってくるなって任務を仰せつかったからな。そのくせ自分はぶっ倒れやがって。丁度見つかった日だったからすぐに戻って来れたけど…。」
そう言いながら蓮温は私を軽く睨んだ。
「「…あの日か…」」
…臣と隆二のテンションが分かりやすく下がった。
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作者名:◎まる◎ | 作成日時:2018年10月23日 20時