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蓮温side
「やめろ！！！」
『はあ？お前、泣いてんの？だっせー！』
いじめっ子等の笑い声が室内に響き渡った時…
立ち上がってもみ合っている俺の前を、誰かが横切った。
…それはいつものように表情のない彼女で…
真っ直ぐに向かった窓枠に手をかけたかと思うと…
ふわっとそのまま外に飛び出して
「………え？」
なんの躊躇もなく、汚いプールへと入っていった。
全員が絶句してその光景を見ていると…
汚水に浮いたおれのキーホルダーを大事そうに取り上げた彼女は…
プールから上がると、隣の水場で綺麗に汚れを落として…
自分は泥だらけの悪臭のまま部屋に入ってくると…
キーホルダーを俺の手の平へと落とし…
その後、真っ直ぐにリーダーの前へ行くと…
『…な…何だよ…。』
引き気味の奴のことを…
…ぎゅっとハグした。
『うわあああぁぁぁ！！』
驚きと、衝撃で泣きながら出て行くリーダーと、その仲間達を見て…
…
彼女の口角が少し上がるのが見えた。
それが…
無表情じゃない彼女を見た最初だった。
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作者名：◎まる◎
| 作成日時：2018年10月23日 20時
