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隆二side
臣の少し後方を歩いて彼女を出迎える。
?
彼女をエスコートしようとした臣が不思議そうに彼女の顔を見た時だった。
その様子を見た優雨がすかさず
「琴様、体調はいかがですか?」
そう聞いた。
Aが返答する前に
「え?体調悪いの?大丈夫?」
臣とは反対側に立った岩ちゃんが心配そうに声をかけると
「いいえ?大丈夫。」
微笑むとAはそう一言言って、差し出された臣の腕に手を絡めた。
臣は一瞬何か言いたそうにしたけれど「行きましょう?」Aにそう言われ、言葉を飲み込むように頷く。
俺は…
Aが臣や岩ちゃんに気づかれないようにそっと優雨の方を振り返って“大丈夫”そう口を動かしたのを見た。
…?
『…詮索しなくて良いですから。…あなた方には関係ないので。』
背後から急に聞こえた声に振り向くと…
無表情の蓮温が俺を見下ろしていた。
「蓮温!車置いて来たよー!A様は?中に入った?」
後方から走って来た咲苺を振り返った蓮温は、もう俺の方は見向きもせず
「警護の配置につくぞ。」
そう言って歩き出した。
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作者名:◎まる◎ | 作成日時:2018年9月27日 12時