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岩side
『……ちゃん。………岩ちゃん!!』
「はい!!…ん?」
俺を呼ぶ声がして、驚いて目が覚めた。
あ…
寝ちゃってた。
腕の中の眠り姫は、まだ足りてないようでもぞもぞしながらも俺に身体を預けて目を瞑ったまま。
そんな彼女を見て…
愛おしい気持ちでいっぱいになりながら、声の方向を見上げると…
メンバーが上から覗き込むようにニョキッと頭を出して手を振っている。
「迎えに来たでー。」
「…すっかり仲良しだね?」
健さんとエリーの冷やかすような表情。
「羊を数えたんで。」
俺が意味深にそう一言だけ言うと、臣さんが「羊?」って怪訝そうに首を傾げた。
まだ、君とこうしてたいけど、仲間が助けに来てくれたから起こさなきゃね?
包んでいた両手のうちの片方で、優しく彼女の頭を撫でて…
「…Aさん?」
一度呼んでみる。
「ん……。」
…
「…A?……っ!?」
もぞもぞと動いたAは…
寝ぼけて俺にキュッと抱きついた。
…やばい…。
カーッと熱くなるのを感じる自分の頰。
瞬間…
ザザっと斜面から降りてくる音がして…
目の前には…
余裕のない表情の
…臣さんと隆二さんがいた…。
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作者名:◎まる◎ | 作成日時:2018年9月27日 12時