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隆二side
「…俺は、このメンバーで空の上ってことに、良い思い出がないんだよ!」
叩き起こされて、訳のわからないままヘリに乗せられた直人さんは青い顔でずっとぐちぐち言ってる。
5人乗りのヘリに、たまたま乗ってるあの日の4人とA。
「…サバイバルゲームって、またこっから落とされる訳じゃないだろうな…。」
直人さんの言葉に、思い出したように…思い出したくもないって頭を抱えた臣。
「まさか!あの時は、緊急事態だったからでしょ?何回も落とされないですって。」
笑いながらそう言って、ね?って後ろを陣取ってるAの方を振り返った瞬間…岩ちゃんが固まった。
「…え?岩ちゃんどうした?」
岩ちゃんの肩越しに後部席を覗いた俺は…自分の血の気が下がるのを感じる。
「…ねぇ…まさか…だよね…?」
俺たちの異様な雰囲気に気づいた直人さんもそっと後ろを振り向いて…
…臣は無言のまま、その後ろから覗き込んだ。
「ん?何?何か言った?」
彼女の手元には…見覚えのあるパラシュートのベストに…
ライフルと…
薄い白のベスト…
「何で銃が普通にあるんだよ!」
突っ込んだ俺に、Aはニヤッと笑って銃口を俺に向けた。
「ちょっ!!危ない!危ない!!」
俺の背中に隠れたリーダー。
「えー?何が?危ない?」
そう言って引き金を引いた瞬間
「…うわ!!…え??」
ピューっとかかったのは…
「「「「…水……鉄砲?」」」」
愉快そうに笑った彼女は
「そう。水鉄砲。」
そう言うと
「まずは、白いベストを着て?水をかけられたら、赤色に変色するの。このベストを赤くされたらゲームオーバー。
それでもって、皆さんお待ちかねのパラシュート。
もう完璧でしょ?
無人島にパラシュートで降りて、森の中、生き残りゲームね?」
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作者名:◎まる◎ | 作成日時:2018年9月27日 12時