sweeper 2 (ページ27)

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咲苺side

「…やける？」

真っ暗なリビングの中で、ソファーに腰掛けながら大きな窓から外の様子を見ている私と蓮温、優雨。

A様が悪夢にうなされて、夜中にプールに出ることはこれまでにも何度もあった。

今夜、いつもと違ったのは…

今までなら、私達3人がいる場所に臣が立っていること。

じっと外の様子を見ていた蓮温と優雨は、私の一言に苦笑いした。

「…誰よりも妬いてるのは、咲苺じゃないの？俺たちの中でもAへの忠誠心半端じゃないでしょ？」
優雨がからかうように私を見た。

「…そうだね…。確かに…ポンと現れた男に、あそこのポジションをあっさり取られるのは妬けるかなぁ。」

足をプラプラさせながらそう答えると…

「…あいつなら……いや、あいつらなら…Aを前みたいに戻してくれるかもな。」

蓮温が無表情のまま言った。

「…そんな期待しちゃって大丈夫？」

「…事情を知ってる俺達には限度があるだろう？」
悲しそうになった蓮温の表情。

「…俺達は……Aにかける愛情を絶対に間違えちゃいけない…。

俺達が間違えたら…

Aは今度こそダメになる。

だから…

あいつみたいな間違いをおかしちゃ絶対にダメなんだ。」

自分に言い聞かせるように言った蓮温。

…

本当は、A様のことを大切に想っているのに…

あの男の業まで背負おうとしている蓮温…

そんな蓮温の為にも…

…私達はA様を守り抜く。

…この先、何があっても。