Level S……2 (ページ10)

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臣side

怪我は軽症で、とりあえずHIROさんと今後の話をする為に事務所に戻ることになった。

直人さん…「俺に任せろ！」ってAと先に事務所に戻ったけど…あの髪どうなったかな…。

言葉少なにゾロゾロと戻ると、長い廊下の向こうから歩いてくる直人さん。

「Aは？ちゃんと言うこと聞いた？」

翔威の問いかけに「翔威、大変だな。あれは大分駄々っ子だ。」…言葉とは裏腹に愛おしげな表情の直人さん…。

モヤっとした感覚が俺の中を通り過ぎる。

直人「そこの空き部屋使って切ってもらってる。もう終わる頃だと思うん…」

言い終わるか終わらないかのうちに、直人さんが指差したドアが開いて、いつものスタイリストさんが出てきた。

ス「綺麗な人は、何やっても綺麗ねー。ま、私の腕もかなり良いんだけど？」

そう言うと、後ろを振り返り…俺らに見えるように横に避けた。

「「「「「「「……」」」」」」」

目に入ってきたのは、前下がりのショートボブになったAさん。

直人「…めっちゃ…似合ってんじゃん！！」
嬉しそうな顔をした直人さんがAさんの頭をポンポン叩いて、「…ちょっと。やめてよ。」って面倒臭そうにその手を軽く払うAさん。

あれ？

なんか…この2人…急に距離縮まってる？？

翔「いや、ほんと、絶対こっちのがいいよ。」

健「ほんまや。見惚れたわ！」

口々に褒められてAさんは一瞬恥ずかしそうに顔を赤くしたけれど…すぐに無表情になって

「そういうことで…直己、全くお気になさらず。」

そう言った。