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潰れた透をベッドに運ぶ。
「…はぁ。…翔威、ごめん、コップに水持ってきてもらっていい？目が覚めた時飲めるように置いておこうと思う。」
「だね。ちょっと行ってくる。」
「ん。よろしく。」
翔威が出ていくのを見て…ネクタイくらい外しておくか…
透のネクタイを緩めていると…
パシッ
手を掴まれた。
「…起こしちゃった？」
透「…すまない…。みっともないな。」
「…透のみっともないとこなんて、今更じゃん。」
透「…そう言うなよ。…確かにそうだけどな。」
ははって笑って右腕で自分の顔を覆う透。
「…ごめんね…。私のせいで…。」
透「…何でお前が謝るんだよ。俺が勝手に空回りしてるんだよ…。」
気まずい沈黙が流れる…。
「…あ、そうだ、透に言っておこうと思ってたことがあって。」
透「何？また説教？聞きたくねーぞ。」
「違うって(笑)この前ね、臣のこと言ってたじゃん。」
透「…あぁ、うん。」
「あの後、よく考えてみたの。確かに、詩音に似てるって言うので臣に過剰に反応してた私がいた。あの日は、弱ってて、流されちゃった自分もいた。だけどね…詩音に重ねて臣のこと好きになったりはしてないよ。」
顔を覆っていた右腕をよけて、透が私の顔を見つめた。
「…それに…臣が優しいのは皆に対してで…だから、臣が私のこと特別に想っててシオンの代わりにされて傷つくとか、そういう心配はそもそもないんだよ。」
透の表情が…呆れたようになった。
透「…お前が激しく鈍感だってこと…ついつい忘れてたよ。お前…ほんとバカだな。」
「はあ？何それ？可愛げがないだの、激しく鈍感だの、バカだの、久しぶりに会ったっていうのにほんっと感じ悪い。」
ムカムカして透から離れようとした…
その時だった。
ぐっと引かれる右腕。
気がつくと、さっき透が寝ていたベットに私が寝ている。
目の前には透の顔と天井。
「…お前は、激しく鈍感だよ。」
…切ない表情の透は…そう言って…
私にキスをした。
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作者名：まる
| 作成日時：2018年3月17日 19時
