Level S……2 (ページ33)

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直人との会話が長引かないうちにその場を離れようとした…その時、直人に手首を掴まれた。

「……離して下さい。」

直人「……A、どうしたの？」

「…何が…ですか？」

直人「…とりあえず、俺の目を見て。見るまで離さない。」

この人は…本当にいつも強引…。

渋々直人に視線を合わせる。

困ったような…怒ったような表情。

直人「…何があった？」

「……別に何も。」

はぁーーーー
大きなため息をつくと、私の手を掴んだまま壁際にあるソファーまで行き…私を座らせると自分は私の正面にしゃがんで目線の高さを合わせた。

直人「…嘘、つくな。」

じっと見つめられ、心の中をみすかされそうで目をそらす。

直人「…目を見ろ。」

強めの一言。

……。

直人「…A？目、見て？」

今度は優しく一言…。

渋々目を合わせると

直人「お前にはデレの方が効くんだな？」ってイタズラっぽく笑ってる。

「…何それ。何でそう言う解釈になるのよ。おかしいから。」

思わず笑っちゃう私。

「なんだよー、使い分けて見て反応見たら、甘い方が言うこと聞いたじゃーん！」ってむくれたふりをする。

この人といると調子が狂う。

直人「…言いたくないなら無理には聞かないけど…しばらくさ、嫌でも俺らずっと一緒にいることになるからさ、最初から気まずい雰囲気は嫌なんだよ、俺。」

…………。

「…ごめんなさい…。」