Level S……2 (ページ32)

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直人side

とりあえず、トランクだけ自分の部屋に突っ込んで、三階にあるトレーニングルームに向かう。

昨日からのAの様子が気になった。

出会ったすぐみたいに表情が硬くて寄せ付けない雰囲気に逆戻りしたA。

後半、少しだけ笑顔を見せたけど…笑った後にすぐに後悔してるような表情に変わったのを見逃さなかった。

何かが起きて、また俺らから距離を置こうとしてる。

車の中で見せてくれた…あの笑顔が見れなくなるのは嫌だった。

トレーニングルームを覗くと、ランニングシャツにスエットパンツでトレッドミルで走りこむAの姿。

無駄なものがない、綺麗な後ろ姿。

…………よし。

「あ！いたいたー！！翔威にここだって聞いたんだよね！」

わざと明るい声を出して声をかける。

声に反応したAはトレッドミルの速度をゆっくり落としてから止めた。

A「皆さん、着きましたか？」
器械にかけてあったタオルで汗を拭きながらこちらに振り返る。

やっぱり…表情が硬い…。

一体どうしちゃったの？

「うん。着いた。しばらくよろしくね。男ばっかりでむさ苦しいと思うけど…。」

A「…ご心配なく。これまでもそんなところばかりでしたから。シャワーを浴びて来ます。」

そう言うと、俺と視線を合わせないまま部屋から出ようとするA

俺の横を通り過ぎようとした時、俺はAの手首を掴んだ。