Level S……2 (ページ29)

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臣side

「他の部屋も案内する。」

HIROさんの言葉に、ようやくAと翔威もモニター前から離れた。

パニックルームから出て、コンクリートの広間、また階段で行くのかと思ったら、暗くて死角になった壁の裏にエレベーター。

HIRO「一階からここに来るのはさっきの入り口。二階と三階からはこのエレベーターを使う。それぞれ、分かりにくい所にあるから覚えてね。ちなみに、パニックルームに直接入れるのは10の個室だけ。その部屋は暗証番号と指紋認証がないと入れないようになってる。コンクリの間からパニックルームに入る暗証番号は後で教えるけど、とりあえず、7人とAと翔威にしか教えないから口外するな。」

A「犯人がはっきりしないうちは…警察であろうと暗証番号は教えないで下さい。もし聞かれるようなことがあれば、私に報告を。」

……ウキウキ気分から一斉に硬い表情になる俺ら。

浮かれていたことに恥ずかしくなって居心地が悪くなる。

そんな俺らの様子を見て……真顔だったAが…笑いそうになってこっちに背を向けた。

朝からずっと硬かったから、それを見てほっとする。

他のメンバーも同じ気持ちのようだ。

エレベーターに乗り込んで、二階に上がると…ウォークインクローゼットに着いて…そこから出ると…小さな書斎…更に出ると…図書室？天井まである本棚、びっちり引き詰められた本が並ぶ大きな部屋に付いた。

隆「…俺…あそこには滑り台で行くわ…。覚えられる気がしねぇ…。」

隆二の珍しく情けない声にメンバーが笑い出し…少し離れた所にいたAが噴き出すのが見えた。

HIROさんの案内で…特別な10部屋には、それぞれシャワールームとトイレが付いていた。

後は二階にも三階にも、階段を真ん中にして建物の左右それぞれに1か所、共同で使うバスルームとトイレ。

一階は大きな食堂とパーティーができそうな広間があって、壁一面がガラス張りになっているから、パフォーマーのダンス練習に最適
だった。
直人さんはじめ、パフォーマー4人が嬉しそうに見ている。

二階は図書室と…主に個室。

三階には…レコーディングルームとトレーニングルーム…。
大きな会議室１つに、小さめのミーティングルームが数部屋、三階のパニックルームへの入り口は、トレーニングルーム横にあるロッカーの１つの奥にあった。

これだけでも驚きの連続だったけど…、最後に驚いたのは…屋上に屋外プールがあったこと。

健「これ建てたやつはどんだけセレブだったんや…」

もはや、呆れた口調で健ちゃんが呟いた。