Level S……2 (ページ22)

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翔side

部屋に戻ってから…透さんの様子がおかしい…。

臣さんが出て行った後も無言でAをじっと見ている。

見つめられているAは居心地悪そうに俯いている。

何？

どうしたの？

透「………声が……似てるからか？」

弾かれたように顔を上げるA。

真っ赤な顔で今にも泣き出しそう。

A「…透…。」

透「…俺も最初に声を聞いた時、驚いた。あいつの…詩音の声に良く似てる…。」

Aの目から涙がこぼれそうになるけれど…必死に堪えていて…雫が落ちることはない…。

透「…あいつは…詩音じゃない…。」

Aの表情が歪む。
無言で見つめ合う2人。

？

どういうこと？

誰の話？

透「……臣はやめておけ…。お前はあの声に詩音を見ているだけだ。あいつを見てない。あいつを傷つけて…お前も傷つくだけだ…。」

………嘘だろ………。

「…臣さんの声…詩音さんに似てるの？」

今俺の存在に気づいたように2人は驚いたように俺の顔を見る。

あぁ……臣さん……俺、なんて無責任なこと言っちゃったんだろう…。

Aに1番遠い存在が臣さんだったのかもしれないのに。