Level S……2 (ページ21)

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咄嗟的に離れようとする私を離さまいと臣の腕の力は強くなった。

「…………離して……。」

臣「…………………。」

返事はない。抱きしめる力が強まる。

臣「『A』」

あぁ…やめて…。

あの人と同じ声で私を呼ばないで…。

気がつくと…臣の背中に手を回している自分がいた。

私を抱きしめながら、片方の手は私の頭を優しく撫でる。

顔を上げると、大丈夫だよ、そんな風に微笑んで……

…臣の顔が私の顔に近づいた

…その時

ガチャッ

扉が開く。

同時に驚いて臣から少し離れた私。

透が驚いた顔をしてこっちを見ている。

翔「っちょ！透さん！急に止まらないでよ！」

透の背後から翔威の声が聞こえる。

透「…あぁ…。すまない。」

臣が無言で私の側を離れた。

翔「あ、臣さん来てたの？」

臣「うん。心配で来ちゃった。少し落ち着いたみたいで安心した。」

そう言って私を見て優しく微笑む。

臣「…皆、心配でまだ残ってるんだけど…、帰るように言っておくね。」

そう言い残して部屋を出て行った。