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…
「は？」
一気に酔いが覚めて、初めて私に声を張り上げた臣さんの顔を凝視。
臣さんはそんな私の顔を見て、ハッと我に返ったような表情の後、片手で顔を覆った。
「…なし。今のはなし。忘れて。」
…
「…無理ですよ…。……私も好きなんですから。」
大量の涙で霞む臣さんの顔を見つめながらやっとそう言葉を出すと…
「…は？何て？」
驚いたように臣さんは私を凝視した。
…
「…好きです、臣さん。……ずっと好きでした。」
初めてのケンカと初めて見せる号泣の中、しゃくり上げながらそう言った瞬間…
ぐいっと力強く腕を引かれて、私は臣さんに包まれた。
「…何だよ…いつからだよ？…俺…ずっとお前に振り回されてんだけど？」
一気に優しくて…切ない声になった臣さんは、泣きじゃくる私の涙を指ですくった。
「……だって…臣さん…彼女いたじゃないですか…。」
鼻を啜る私に臣さんは優しい…愛おしい人を見るみたいな瞳で言った。
「…それ、お前の勘違い。…お前のこと好きでずっと声かけたくて…残業してるの終わったら誘おうって店取って待ってて…ようやく2人になれたのに…お前、俺のこと雲の上の人だのなんだの言うし…挙句に彼女いると思ってるし…見込みないじゃんって凹んだけど…どうしても一緒にいたくて…お前の勘違いに乗っただけ…。」
「…嘘だ……だって、2人の時もスマホ気にしてたじゃないですか」
信じられなくて、駄々をこねるように首を横にふった私に臣さんは困ったような…恥ずかしそうな顔になった。
「…それは…お前の勘違いが辛くなって…『これ、どーしたらいいんですかね？』ってリアルタイムで直人さんに愚痴ってたんだよ！」
…
「…う…嘘だもん。…臣さんが私に片想いするわけないもん…！」
そう、やっぱり信じられなくてふるふると激しく首を横に振った私の顔を、臣さんは両手でホールドして真っ直ぐに見つめると…
「…じゃあお前が信じるまで言い続ける。
…ずっとお前が好きだった。俺が振り回されてんのは、ずっとA。」
そう言った後…
臣さんの綺麗な顔は私にゆっくり近づいてきて…
私はそっと目を瞑った。
…
嘘みたいな初めてのキスは…
甘くてしょっぱかった。
『…いつになったら妄想彼女がお前だって言えるのかなって思ってたよ。』
続く (更新停止中)
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けいちゃん(プロフ) - お久しぶりです。また訪問しました。過去作品何度も読み漁ってます。 (2022年5月31日 10時) (
レス) @page7 id: 62c26f1e02 (このIDを非表示/違反報告)
tane(プロフ) - まるさん〜、久しぶりに読みに来てしまいました。何度読んでも…好きです！届くかな、まるさんに。 (2022年5月24日 13時) (レス) id: d94b104a92 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅ(プロフ) - まるさん！公開してたなんて知りませんでした（ ; ; ）まるさんのお話も読めなくなっちゃったのでずっと覗いてなくって…しばらく公開お願いします(＞人＜;)また楽しみが出来ました！ (2022年4月24日 0時) (レス) @page7 id: f90bf4b1d1 (このIDを非表示/違反報告)
masadaiya(プロフ) - まるさんの隠れファンです。ずっとお話読ませてもらってました。久しぶりに開いたらお話が公開になってたので嬉しくて♡いつもポワンとなれるお話をありがとうございます!どうしてもお礼が伝えたくて♡♡ (2022年3月19日 5時) (レス) @page7 id: a41c0700b5 (このIDを非表示/違反報告)
◎まる◎(プロフ) - みんとさん» そんな素敵なコメント、ありがとうございます(//∇//)◎まる◎も大好きです❤ (2021年12月31日 7時) (レス) id: 186dce0acc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：◎まる◎
| 作成日時：2021年11月21日 0時
