198 ページ48
臣side
「え?」
俺の背後から聞こえた声。
振り向くと、隆二が同じように仙崎さんを見つけて目を見開いていた。
「…隆二…。」
「…臣……今の話聞いた?」
「…うん。」
辺りを見渡すと、人ごみに紛れた皆が、同じように周囲の噂話と、視線の先の仙崎さんに釘付けになっていた。
「…Aって…看護師だったの?」
「…分からない…。とりあえず…一旦部屋に戻ろう。」
皆に『部屋に集合』とラインを入れて隆二とエレベーターへ。
二人共…この後聞くかもしれない仙崎さんの過去が…これからの俺達に重大な影響を与える予感を感じて…無言だった。
部屋に着いて…
続々と他のメンバーも部屋に入ってくる。
皆…無言のまま。
「…ATSUSHIさん……どうします?」
最初に口を開いたのは直人さん。
「…聞かなかったふりした方がええんちゃう?」
健ちゃんが遠慮がちに言って…
「…でも……迎えに行った桜智さんも何にもなかったとは言わないんじゃない?」
エリーが困ったように言った。
「……この状況じゃ、見なかったことにするのは無理があるよな。どっかでボロ出すくらいなら、直接Aに聞いてみよう。もし、答えたくないって言うなら、無理に聞き出すのは辞めよう。」
黙っていたATSUSHIさんがそう言った時…
桜智さんが1人で部屋に入ってきた。
1405人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まる | 作成日時:2018年6月9日 22時