Happily ever after. 4 (ページ44)

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臣side

「生きてるって素晴らしい…。」

部屋に響いた直人さんの呟き。

放心状態で座り込むメンバーに車に酔ってトイレに駆け込むメンバー数人。

「…何だかすみません。」

惨状を目の当たりにして、申し訳なさそうに立っている仙崎さん。

「Aも運転疲れたでしょ？……皆回復するまでもう少し時間かかりそうだから……温泉入っておいでよ…。ほら、…大浴場…まだ２つ入ってないし…。」

そこまで言うと、トイレに駆け込んだ桜智さん。

「うん、そうしたらいいよ。ゆっくり入ってきな。」

青白い顔でそう言ったATSUSHIさんの顔を見て…

「じゃあ、そうする…。」

ちょっと拗ねた様子の仙崎さんにATSUSHIさんは、そんな姿も可愛いと言うように、クスッと笑って

「A…1人じゃ寂しい？付いて行こうか？それか混浴借りて一緒に入る？」

甘く囁くように聞く。

「…いい！大丈夫！行ってくる！」

顔を赤くした仙崎さんはあっという間に部屋から出て行った。

いつも主導権を握られてるような俺らに対して、さらっと仙崎さんから主導権を取り上げるATSUSHIさん。

「……敵わないなって顔してる…。」

「え？」

俺の視線に気づいたATSUSHIがそう言った。

「…降りる？この勝負？俺は絶対に最後まで降りないけど？」

ATSUSHIさんが何故今そんな事を言うのか、周囲を気にした時に気づく。

…

室内には、仙崎さんを想う5人の男だけ。

他の3人はそれぞれ少し離れた所から俺達のやり取りを見ていた。

「……降りませんよ。今、ATSUSHIさんが1番仙崎さんに近い存在かもしれないけど……だからって、それだけで諦める程度の気持ちじゃないんです。」

まっすぐにATSUSHIさんに初めて伝える俺の気持ち。

ATSUSHIさんは、ふっと笑って

「…大事な後輩にこんな挑戦的なこと言う俺が1番余裕なくって自信ないって事だよな。」

自嘲気味に言って俺を見た後に、他の3人にも視線を送った。