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隆二side
キキィー！
急発進したかと思ったら、急ブレーキでエンスト。
全員が前につんのめって、シートベルトに押さえられ、青ざめる。
助手席のATSUSHIさんも顔色が悪いけど必死に運転席のAを落ち着かせようと声をかけている。
「…A…とりあえず…公道に出る前に、敷地内で練習しよう。大丈夫。すぐに勘を取り戻すよ。」
「わ、分かった。まさか、マニュアル車だったなんて！！今時、マニュアル車なんてある！？」
ハンドルをぎゅっと握りしめて、前方を見つめながらボヤくA。
「あぁ…恐れていた事態に…。」
小さく呟くと、隣で、前のシートにしがみついていた臣が
「何？どういう意味？」って必死の形相で聞いてくる。
「乾杯した直後に聞いたんだけど…、運転、かなり久々だって…。」
「…え？何年ぶりとか？」
「……聞かない方が良いと思う。」
…ごく…
臣の喉が鳴る音と共に…
敷地内をゆっくり二周した車は公道に急に飛び出た…。
「「「「「うわぁぁああ」」」」」
「A！もう少しスピード落として！」
「落としたら止まっちゃう！！」
「止まらないから！むしろ、止まってもいい！」
「右！右から車！」
「もう少しで信号あるからね！」
矢継ぎ早にあちこちからAへ飛ぶ言葉
・
・
・
『うるさい！！死にたくなきゃ黙ってて！！！』
「「「「「「「……はい」」」」」」」
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作者名：まる
| 作成日時：2018年6月9日 22時
