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あの日のおでこのキスは…
勿論夢ではなく…
そして、それをしたのは岩田さんだったと突然知らされ…
……パニック。
おでこを抑えてオロオロする私を見て、
岩田さんは楽しそうにクスクスと笑った。
「…笑えないですよ。笑えないです。からかわないでください。私は生粋の日本人なので、岩田さんにとっては“おやすみー”位のたかだかおでこのキスでも動揺するんですよ。」
一気に言い終えた私を見て、岩田さんは世の女性を虜にしているとびきりの笑顔を私に向けた。
「俺も生粋の日本人だけど……お休みの挨拶だと思ってるの?子供にパパやママが寝る前にしてるやつ?」
「そう!それです!」
あたり!と思わず人差し指を立てた私に、岩田さんはまたひと笑いして…
このメンバーは、笑い上戸が多すぎる…
そして、私をおもちゃにして楽しんでる…
そう感じて、ムッとして視線を夜空に向けた時だった。
「…怒っちゃった?」
背後から聞こえる、優しくて低い甘い声。
そうか…これが世の女性をノックアウトしている甘い顔にギャップの渋い声だ…
またそんなことを思いながら
「…私は皆さんのオモチャじゃないんですから。」
視線は空に向けたまま答えると…
ふわっと再び包まれる感触とともに降ってきた言葉に思考がゼロになった。
「…ごめんね。怖がらないで聞いて。
…
…
…
俺
Aが好き。」
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作者名:まる | 作成日時:2018年6月9日 22時