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翌日、私は改めて紗香おばさんと話をする為に叔母さんの部屋をノックした。
どうぞ。
返事が聞こえて、ドアを開けると、私が来るのを分かっていたように微笑む叔母さん。
「…昨日は…カーッとして怒っちゃってごめんなさい。」
「いいのよ。私も晴夏姉さんも先走りすぎた。逆にごめんね。…姉さん…あんたがまた自分の夢に向かって動き出したかもって分かって……なんか企んだ顔して帰っていったから…油断大敵よ。」
そう言って苦笑いの叔母さんに私も苦笑い。
「…それで…？どうするの？勝手にシフト減らしたけど…元に戻す？それともそのままでいい？」
コーヒーを入れながら私には背中を向けて聞いて来る叔母さんに、私は昨夜自分の中で決意したことを伝えた。
背中を向けたまま聞いていた叔母さんは、私の話が終わるとゆっくり振り向いて優しく微笑んだ。
「…そう。分かった。最終的にどの道を選んでも、私はあなたを応援するから。」
「…ありがとう、叔母さん。」
「…それで？この後は？」
「…とりあえず、桜智と会う約束したの。」
「…桜智はなんて？」
「…泣いてた。」
「…良い友達を持ったわね。」
「…うん。そう思う。」
昨夜、隆二と岩田さんと登坂さんと…遅くまで沢山の話をした。
…話をしたと言うより、酔った3人の話をずっと聞いていた。
聞きながら…
またあの日のように…自分の中で眠っていたものが目を覚ます感覚…
この人達に出会ったことは偶然じゃない。
きっと、必然。
私は、5年前に逃げた自分と向き合う時が来た。
彼らに負けないように…
彼らといても自分を情けないと感じることがないように…
一歩前へ歩き出そう。
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作者名：まる
| 作成日時：2018年6月9日 22時
