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「…寝ちゃいましたね？」
直己さんの膝枕でスヤスヤの桜智を覗き込む。
「…日本酒、美味しかったみたい。」
宝物に触れるように…愛おしい表情でそっと桜智の髪を撫でる直己さん。
「今日ね、桜智、直己さんに会えるのすっごく楽しみにしてた反面、すっごく緊張してたの。」
昼間の桜智の顔を思い出して思わず笑っちゃう私。
「緊張？」
「はい。私が“この旅行、勝負じゃん！頑張りなさいよ！”ってプレッシャーをかけたから。」
私の言葉に直己さんは『ははっ』って笑って答えた。
「桜智も俺と同じプレッシャーをかけられてたんだ。」
「……とっても良い子なんです。桜智。」
「…うん。」
「…私、いっぱい助けられて…まだ何もお返しできてなくて…。」
あぁーなるほど、そんな風に頷いた後、直己さんは
「桜智も同じこと言ってたよ。かけがえのない親友だって。」
「桜智が？……嬉しいな……。」
私にじゃなくて、桜智にとって大事な人に私のいないところでそう言ってくれていたことに嬉しさで胸がいっぱいになる。
「…俺共々、これからもよろしくね。」
私に微笑んだ直己さん。
「こちらこそ、よろしくお願いします！」
「部屋に運ぼうかな？」
「直己さんの部屋に運んじゃって下さい。」
「え？」
「目覚めドッキリですよ！！ほら！起きちゃう前に早く！」
小声で急かすと、困ったように笑いながら直人さんに手伝ってもらって桜智を抱きかかえて出て行った直己さん。
「幸せになれよー！」
小さくガッツポーズをした私の背後から笑い声…。
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「出ましたね、登坂笑い。」
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作者名：まる
| 作成日時：2018年6月9日 22時
