春色ラブソング (ページ10)

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話してみると永瀬くんのイメージが変わった。

クールで無愛想じゃない

ちゃんと喋ってくれるし

会話も楽しい。

·····ちょっと意地悪だけど。

でもやっぱり笑顔にはドキドキする。

笑った顔の方が断然魅力的だから。

勉強を終え、他愛もない話をしていると

あっという間に休み時間の終わりを知らせる予鈴がなった。

｢よし、じゃあ帰ろっか｣

『うん、そうだね。
今日はありがとう。助かっちゃった』

｢どういたしまして。
·····じゃあAさんは先に戻りな？
俺はそのあと行くから｣

『え、何で？どうせ同じ教室に·····』

あ、そっか·····。そうだよね。

私なんかと一緒にいるところ
見られたくないよね·····。

『·····分かった。じゃあ先に戻るね』

参考書をしまい.永瀬くんを残して

私は図書館を出た。

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あれから永瀬くんは

授業が始まる前に戻ってきた。

｢永瀬くん、どこ行ってたの？｣

と可愛らしく訊ねる佐々木さんを無視し

席に着く永瀬くんは

またいつもの仏頂面に戻ってきた。

さっきまで楽しく会話していたのに

今はもう話しかけれる雰囲気ではない。

私は黙ったまま視線を前へと戻した。

結局、その後もお互い図書館の話題に

触れることなく放課後を迎えた。

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