春色ラブソング (ページ3)

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｢永瀬も愛想ないねぇ·····。抜群にいい男なのに勿体ない｣

そう。

美桜ちゃんの言う通り、永瀬くんは女の子に対して少し冷たい。

神宮寺くんのように楽しそうに会話することもなければ、自分から話しかけることも滅多にない。

そういう硬派な性格も女の子を煽るみたいで

自分が一番仲の良い女の子になりたいと

みんな頑張るんだ。

不機嫌モードの永瀬くん。

｢相変わらず無愛想だなぁ。
もうこいつなんか放っておけって｣

｢でも·····｣

困惑する佐々木さんに｢いいから｣と笑いながら神宮寺くんは次の話題に移る。

やっぱり永瀬くんは無反応。

窓からグラウンドを見ているだけ。

毎日のように取り囲まれ

あれこれ話しかけられるのは

きっとうんざりするのだろう。

モテすぎるのも大変だなぁ。

ストレス溜まっちゃうよ。

まぁ、私には一生縁のない話だから

少し羨ましいな、なんて·····。

そんなことを思っていると

永瀬くんが不意にこちらを向いた。

ど、どうしよう·····。

見すぎてたかな·····。

永瀬くんと目が合う。

すぐに逸らせばいいものの

焦った私は思わず笑顔を向けてしまった。

何しちゃってるの私！

永瀬くんもこちらを見ながら眉を寄せて

微妙な表情になっている。

もちろん笑顔が返ってくるはずもなく·····。

一人あたふたしていると

｢A？何一人で百面相してるの？｣

怪訝な顔をした美桜ちゃんに

そんなことを言われてしまった。

『う、ううん！何でもないよ！』

キーンコーンカーンコーン·····

｢あ、チャイム鳴ったわ。
やっとこれで自分の席に座れるわね｣

『そ、そうだね·····』

はぁ、私朝から何やってるんだろう·····。

自己嫌悪に陥りながらトボトボ自分の席に戻る。

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