新たな出会い ページ32
そこに着くのにはそんなに時間はかからなかった。
サァ…と心地よい風が鼓膜を揺らす。
夕暮れで赤みがかった空は、広い野を輝かせていた。
この花は…いつか、Aが行きたがっていたお花畑の花だ。
この香りは…Aと同じ香りだ。
思い切り息を吸い込むと、ゴロンとお花畑に転がった。
君が見せたかったのはこの景色だったんだね…
綺麗な笑顔を思い出して、涙を零した。
また会いたいよ…ずっと一緒にいたかった…
目を瞑り、Aの事を思い続ける。
すると、ふわふわとした何かが、頰に当たった。
ゆっくりと目を開けると、そこにはAの着ていたワンピースのように真っ白な猫が1匹、俺の事を見つめていた。
そして少しずつ近づいてくると、ぺろぺろと俺の涙を舐めてくれた。
和「…A…?」
そう言うと、綺麗な声でにゃー、って鳴くんだ。
和「また、逢えたね」
にゃー
和「バカ…先に逝っちゃうなんて、ダメでしょ?」
そう言うと、申し訳無さそうににゃーん…と鳴き、まるで機嫌をとるかのようにすりすりと俺に擦り寄ってきた。
和「A、帰ろうか。
俺たちの出逢った、あの街に…」
猫を抱き抱えると、俺は元来た道をたどった。
.
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いつものように目覚まし時計で目覚める朝。
和「やっべ、遅刻だ…!」
バタバタと用意して、いつものように君に声をかける。
和「いってきます、A」
俺がそう言うと、にゃーと一声返してくれた。
扉を開けて、外に出ると…
いってらっしゃい、和くん
そう、君の声が聞こえた気がして…
後ろを振り向くと、閉まるドアの前でちょこんと座る、猫が見えた…
fin.
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か〜なん(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます!お返事が遅くなってしまってすいません…・もうすぐ完結の予定なので、最後まで付いてきて下さると嬉しいです(*´∀`*) (2015年2月28日 22時) (レス) id: d79f013d4a (このIDを非表示/違反報告)
のん - すごく.ドキドキする話で早く続き読みたいです! (2014年8月21日 8時) (レス) id: e8d2e5b18c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:か〜なん | 作成日時:2014年8月9日 1時