治らない病気 ページ26
カタ、と小さな音がした。
和「Aっ？
…あ、櫻井先生…」
ドアにもたれた音だけで勝手にAだと思うなんて…
どんだけ依存してんだよ…
フッ、て自重気味に笑う。
したら、それを見た櫻井先生はすっげぇ切なそうな顔してさ…言ったんだよ。
翔「Aちゃんに…会いたい？」
会いたいに決まってる。
会いたくないわけねぇだろ？
…でも、会えないよ…
和「Aの気持ちを…汲んであげたいと思うんです、俺。
…きっと、Aは…俺に会いたくないから…。
だから、いなくなったんでしょ？」
ギュって握った拳は震えてて…声も、情けないくらい震えた。
翔「…本気でAちゃんが君に会いたくないって思ってると思う？
…会いたいけど、我慢してんだよ…
…この病院はね？
設備は国内トップクラス、医者も…自分で言うのもなんだけど、割と優秀な人が揃ってるの。
でも、まだ治せない病気があるんだよ…」
苦しそうにそう言うと、櫻井先生は目頭を軽く押さえた。
キュッと目をつむり、俺をしっかり見据えて、櫻井先生は言った。
翔「Aちゃんの余命は、あと一週間もないよ。
この病院ではもう治せない…
だから、せめて最期は…ずっと行きたかった場所で…って、Aちゃんと相葉さんが決めたことなんだ。
…もし、和也くんにそこに行く覚悟と勇気があるのなら…」
櫻井先生はゴソゴソと白衣のポケットをあさり、その中から1枚のメモを取り出した。
翔「ここに、Aはいるよ。
会いに行くも、会いに行かないも…和也くんの自由だ。」
俺の事をしっかり見据えて、そう言うと。
真っ白な白衣を翻して、病室から出て行った。
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か〜なん(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます！お返事が遅くなってしまってすいません…・もうすぐ完結の予定なので、最後まで付いてきて下さると嬉しいです(*´∀｀*) (2015年2月28日 22時) (
レス) id: d79f013d4a (このIDを非表示/違反報告)
のん - すごく.ドキドキする話で早く続き読みたいです! (2014年8月21日 8時) (レス) id: e8d2e5b18c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：か〜なん | 作成日時：2014年8月9日 1時
