複雑な心境 ページ44
*
「私が…SMEに…？」
「すごい！Aちゃん！僕らと同じ事務所の仲間になるの？」
「だってそれだけの価値あるよ！さすが社長見る目ありますね！」
みんな、興奮して口々に色んなコト言うけど…
俺は正直複雑だった。
だって…うちには血気盛んな若手アイドルが毎年列をなして入ってくるんだぞ？
今だってこんなとこにAをおいとくのは嫌なのに。
SMEに入れば今以上に牙を向いた狼たちの中にAを…
だけど、Aにとっては人生最大のチャンス。
ただのキッズダンスのインストラクターで終わるか、
プロのダンサーとして活躍するか…
それは誰が見たってどっちがAのためなんて一目瞭然だった。
「やります！やらせてください！」
ほらな。やっぱり。
俺にはあんなこと言ってたけど俺に会いたいがためだけに
ダンスを続けてきたわけじゃないってことはAのダンスを見てれば
わかるさ。
でも…なんだか、俺だけのAじゃなくなるような気がして……
寂しさも覚えた。
「そうか、引き受けてくれるか！
じゃあ、後日連絡させるから、正式に契約書をかわそう」
そう言って、社長は出て行った。
「じゃあさ、今日はAちゃんの就職祝いも加えてもう一回乾杯しよう！」
ソンミニヒョンの号令で、またそれぞれ思い思いの飲み物で乾杯した。
「ヒョク…」
さっきから何も言わない俺に、不安げな表情を見せるA。
「もしかして、反対なの？」
「え！いや、そんなんじゃ…」
「あー、A気にすることないよ。
きっとこいつ、Aがもしかして売れっ子になって他の男に取られるんじゃ
ないかって心配してるんだよ。心の狭いやつなんだよ」
「バッ！何言ってるんだよドンヘ！」
「ほら、こんなに焦って(笑)図星だよな」
「本当？」
「ちがっ…いや、それは…」
「私はいつまでたってもヒョクだけなのに」
Aのイキナリな告白に、一瞬みんな固まって…そのあとは大笑い。
こいつ…やっぱりナップンヨジャ。
もう、とっくに俺のがこいつから離れられない……
「まあまあ、めでたい日なんだからさ。
今日はとことん飲んで食べて騒ごうぜ！」
「「「賛成ー！」」」
しかし…あの細い体のどこにあんなに入るんだ！？
さっきからずっとシンドンヒョンばりに食ってるじゃないか！！
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 545人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくらこ(プロフ) - あみさん» あみさん、コメントありがとうございます！今まで読んだ中で一番だなんて、凄く嬉しいです（≧∇≦）これからもよかったらよろしくお願いしますね♪ (2013年9月7日 18時) (
レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 今までで読んだヒョクチェの小説の中で1番面白かったです！！！ (2013年9月4日 19時) (レス) id: 3672070048 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - はなはなさん» わかめちゃんコメントありがとう〜^o^そして、読み返してもらえるなんて、なんて幸せなんでしょう？これからも、何度も読み返して貰えるようなお話書けるといいなぁ。 (2013年6月25日 22時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
はなはな(プロフ) - あんにょん、わかめだよ。また、読み返しちゃった♪ エロヒョク大好き♪ (2013年6月25日 20時) (レス) id: 66544950c1 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - アインさん» アインさん、いつもコメントありがとうございます！ウネ、あっという間に帰ってしまいましたね(^◇^;)今度はバラエティ番組とか！嬉しい！楽しみですね！ (2013年5月31日 10時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mi＊ku
| 作者ホームページ：http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時：2013年5月24日 1時
