はつこい〜Eunhyuk〜

イライラ ページ15

*


「ねえねえ、Aちゃんさあ、普段はなにしてるの？」


ソンミニヒョン、馴れ馴れしい…


「普段はキッズダンスの講師をしてますよ」

「そうなんだ！子ども好きなの？俺も好きなんだ！」


ふ、それ以上に女好きだろ。


「てかさ、さっきからなに！ヒョク煩いよ！？」


え？声出てた？


「あ、Aちゃん、こっちも食べて？これ、僕の自信作なんだ」


ヌナって言え、リョウガ！


「……ありがとう、リョウクくん」

「やだなあ、呼び捨てでいいよ、Aちゃん！」


あー、マジでイライラする！！
うっかり幼馴染なんて言ってしまったからドンヘがみんなにバラしちゃって
それならって歓迎会を兼ねて宿舎で食事会しようなんて話になっちゃって

今に至るわけだけど。


こんな狼だらけの中にAを置いておくなんて、失敗した。

さっきから入れ替わり立ち代わりAにちょっかいを出すメンバー。
色んな質問にも嫌な顔ひとつ見せないで答えるAに、
みんなどんどん好意を持って行くのがわかる。

本当は俺だって聞きたいことがいっぱいあるのに…


「なんだよ、ヒョク。眉間にシワ寄ってるぞ？ほら、これ食べ」

「A！」

「へ？」

「もう遅いから、帰るぞ。送ってく」

「「「えー！？」」」


メンバーからのブーイングなんて気にしない。
俺は我慢できなくなってAの腕を掴むとバッグを持って宿舎を後にした。



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