ふたり

15 You ページ15

北「…本当に行く？」





朝、玄関で鞄を受けとる北斗さんはすごく不安そう。

今日から私が働き始めるのが心配なんだって。





北「やっぱりやめない？」

『もう、またそんなこと言って。』





ほっぺたが膨らむのは可愛いけれど、

私も北斗さんを見送ってすぐ出ないといけないから、
心配性はまた帰ってきてからにしてほしい。





『はい、電車間に合わなくなっちゃいますよ。
私は大丈夫だから、気を付けて行ってきてください。』

北「…昼休み、連絡する。」





いってきます、と出て行く北斗さんに手を振って
私もダッシュで自分の支度。



普通のオフィスカジュアルでいいからね〜。



大我さんの言葉を思い出して、
クローゼットから普段仕事で着ていたらしき服を選ぶ。






大我さんが教えてくれた場所は
この都会でもとても高くて立派なビルで。


こんなところの社長をしてるなんて、
同い年なのにすごい人だなぁ。







…本当にオフィスカジュアルでよかったんか。

入り口で警備員さんに止められてしまったのですが。



今日から働かせてもらう者ですと説明しても、
その格好で？みたいな目を向けられて泣きそう…。



初日くらいスーツで来ればよかった…。

というかそれが社会人の常識だよね…。
何してるんだ私は…。



結局その場は警備員さんが会社の方に確認してくれて
無事案内してもらえたんだけど、





大「Aー！本当ありがとうね！」





今日からよろしく！

そう笑顔で迎えてくれる大我さんに
私はどうしても言いたいことがある。





「全員スーツ着てるじゃないですか！！」

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