彼氏の背中に引っ掻き傷を見つけてしまった【炎柱】

壱 ページ2

.





元々 、私は14まで遊郭に居た

身寄りもなく売られてしまったからだ



だから経験は無くとも 、姐達を見てたから

事後の 接吻痕 や 引っ掻き傷 はすぐに分かる



鬼に付けられた傷や 、誰かと揉めて付いた物とは全然違う





( まさか ｿﾚ を自分の彼氏に発見してしまうとは 、 )





一つ溜息を零すと 、大きな瞳が私を捉えた





｢ むっ ！どうしたA ！ ｣


『 ... 私に何か言う事はありませんか ？ 』





そう言うと 、顔をほんのり赤くした





( それはどういう顔ですか ！？！？ )





心の中で思わず叫ぶ





｢ よ 、よもや 、恥ずかしくて口には出来ない ！

すまない ！ ｣


『 え 、 』





恥ずかしい ？

自分で恥ずかしいと思っていて何故平気で私の前で服を脱いだのだろうか



仮にも恋仲 、彼女

彼氏の不祥事は傷付く





『 ... 誰に付けられたのですか ？ 』


｢ 付けられた 、？

あぁ 、鬼を狩った後女性を送り届けた際にだな ！ ｣





ええぇ 、女性を送り届けてそのまま シたの ？

良くもまぁ そんなに悪びれも無く言えること

... 駄目だ 、今は何を考えても彼を悪く思ってしまう





『 分かりました 。

煉獄さん 、 』





瞳を見つめてふわりと微笑む





『 暫く頭を冷やしますので話しかけないで下さいね 』


｢ ... ｣





顔を顰める煉獄さん

何故か私が申し訳なく思う



それでも彼は言われた通り 、私に話し掛けはしなかった

弍→←零

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す