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「全く……すぐに機嫌が悪くなるのは、坊ちゃまの悪い所ですよ」
「むっ…」
ノアの言う事に、腹が立つ。
だけど、腹が立つのは、それは俺の中で「図星」だというのが分かっているからだ。
「感情に支配されて、目的を失うのはよろしくないです。悪い感情に付け込む人間はこの地球上……貴族社会の人間なら特に、当然の様に存在しますから」
……？
「どういう事だ？」
「善人でも悪人でも、1％でも負の感情を抱く者は誰しも存在します。けれど…そこを狙って相手の弱点……弱味を突く人達の方が、ごまんといるのです」
「……」
「貴方がジオルド様を憎み、軽蔑し、嫌う気持ちは分かります。そして……あの方が何を考えているか分からないという恐怖も」
「……」
「加えて……今の旦那様と奥様に不満を抱き、いつまでも自分達をちっとも見てくれない両親に辟易しているのも」
「……ノアってさ、まぁまぁ人の心読めるから怖いよな」
「確かにそれなりに人の感情は読めますよ。執事たるもの、先読みしないと仕事に支障が出ますから。あ、まぁ、それを抜きにしても、坊ちゃまが分かりやすい態度なだけです」
あ、馬鹿にされてるだけだった。チッ。
「何が言いたいかと言いますと……ジオルド様の勝負では、決して当初の目的は見失わないで下さい、という意味です。
貴方がジオルド様に勝とうとか、そういう勝ち負けは、逆効果です。何度も繰り返しますが」
「……それを何度も言うって事は、本当に俺は感情に支配されやすい奴なんだな」
結構怒りっぽいもんな、俺。
「…貴方の場合は、他人ではなく、自分で自分を傷付けてしまいますからね。カタリナ様やキース様の為なら、自己犠牲も容易く出来てしまうのが怖い所です」
「他人って…あの日、俺はお母様を散々傷付けたぞ。それはノアも言ってただろ」
「それは、キース様を守る為に咄嗟に放った言葉でしょう？貴方は、奥様に不満を抱いているのですから。
今の奥様に対して、むしろ親ながら嫌いという感情も抱き、それに対して自己嫌悪している面も。
これまでも他者に逆らい、反論する姿をよく見かけますが……その原動力はカタリナ様とキース様です。貴方は2人が誰かに害されるのを見ると、必ず動き、そして庇い、守る。
―――その為なら、あの愚者共が理不尽に向ける2人への刃の矛先を、自分に向けさせる。2人の為なら自己犠牲……それが、貴方の最大の弱点ですよ」
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桐谷 - ohanaさん» 返信が遅くなり申し訳ございません！ありがとうございます！マイペース更新ですが、第3章も頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いします！ (2021年6月4日 23時) (
レス) id: f26afb3430 (このIDを非表示/違反報告)
ohana(プロフ) - 日々更新するのが楽しみなぐらい好きな作品です！今後も、応援してます、頑張ってください！ (2021年6月2日 22時) (レス) id: 43410ab91f (このIDを非表示/違反報告)
桐谷 - 結城さん» コメントありがとうございます！結構な低更新ですが、今後とも頑張っていきます！ (2021年5月24日 20時) (レス) id: f26afb3430 (このIDを非表示/違反報告)
結城 - 物凄く面白いです！！何回も読み直しました！！！続き楽しみに待ってます！！！！ (2021年5月24日 0時) (レス) id: ca8b7f5d28 (このIDを非表示/違反報告)
桐谷 - 七夏さん» コメントありがとうございます！本日久々に更新致しました。今後ともよろしくお願いします！ (2021年3月7日 23時) (レス) id: 98fa4274c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桐谷 | 作成日時：2020年12月19日 23時
