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キースの大泣きに
カタリナも…多分お尻事件引き摺って心の余裕がまだ持てなかったのか、つられて大泣きして
何ともどうしたら良いのか分からなくなって…
とりあえず、アンとノアと、確かキースの専属執事のセバスチャンって人の3人が宥めて…
俺は、一気に蚊帳の外だった。
「……随分と、感情が大爆発してしまった様だね」
声が聞こえ、後ろを振り返る。
「あ、お父様」
「…これはこれは。キースの部屋の扉を壊したのは」
「……あー…えっと……」
「まぁ、可愛いカタリナは、最近本当にお転婆だからね。落ち着いたらちゃんと叱るよ」
「あ、俺じゃないのは分かったんですか?」
「…君の場合は、物ではなく、全身で体当たりをするだろうしね」
分かってらっしゃる。
にしても、叱る……愛娘に叱る、ねぇ。多分優しくやんわりだろうけど。
それに、アイツらはいつ落ち着くのやら。
「……ま、今まで泣けなかった分、泣いても良いかと」
「そうだね…キースは、前の家まで泣く事すら許されなかったんだ。それに、カタリナも」
「カタリナも?」
「ほら、前までは癇癪を起こしたり、ミリディアナに怒られて涙目だっただろう?
こうして、誰かの気持ちを考えて泣ける様になったんだ。とても良い事だよ」
「ふぅん」
するとお父様は、ノアに目で合図をする。
ノアは何かを察したのか、軽く会釈をする。
何だ?
「さぁ、リアム。遅くなってしまったが、今は私達だけで食事にしよう」
「……えっと、良いんですか」
「良いんだよ。それに…ちょっと、話したい…というか、私が伝えたいだけというのもあるかな」
「…伝えたい?」
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食堂に戻り、いつもの席に着く。
目の前には、少し冷めてしまってはいるが、余裕で美味しく頂ける食事ばかりだ。
「……お父様。伝えたい事とは?」
いきなり怒鳴ったりしないだろうな?
性格が突然豹変するのはもう勘弁だ。
「そうだね…まずは、君に謝りたいと思っている」
「謝りたい?」
「…私の言葉足らずで、最近君は剣の修行を始めたり、怒る様になったり…ましてや、ミリディアナの事で悩ませてしまって……私がハッキリさせないが故に、ずっと不安な気持ちにさせてしまって、申し訳ない」
「あぁ、いや…剣の修行は、元はカタリナに付き合ってただけで、たまたま僕が夢中になったから、結果オーライです」
「はは、そうか」
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桐谷 - ohanaさん» 返信が遅くなり申し訳ございません!ありがとうございます!マイペース更新ですが、第3章も頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いします! (2021年6月4日 23時) (レス) id: f26afb3430 (このIDを非表示/違反報告)
ohana(プロフ) - 日々更新するのが楽しみなぐらい好きな作品です!今後も、応援してます、頑張ってください! (2021年6月2日 22時) (レス) id: 43410ab91f (このIDを非表示/違反報告)
桐谷 - 結城さん» コメントありがとうございます!結構な低更新ですが、今後とも頑張っていきます! (2021年5月24日 20時) (レス) id: f26afb3430 (このIDを非表示/違反報告)
結城 - 物凄く面白いです!!何回も読み直しました!!!続き楽しみに待ってます!!!! (2021年5月24日 0時) (レス) id: ca8b7f5d28 (このIDを非表示/違反報告)
桐谷 - 七夏さん» コメントありがとうございます!本日久々に更新致しました。今後ともよろしくお願いします! (2021年3月7日 23時) (レス) id: 98fa4274c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桐谷 | 作成日時:2020年12月19日 23時