46(side Catarina) ページ3
いくらリアムがジオルドの事が嫌いだからって、喧嘩を売った相手はこの国の第3王子。
王子に勝負を挑むなんて…
「カタリナ。お前の言いたい事は分かるよ」
「へ?」
「というか、さっきから面白い変顔が目立つ」
「へ、変顔って何よ!頭の中は真面目カタリナが中心となって凄く考えてるのよ!」
「真面目カタリナ?」
「!!あ、その…とにかく、結構考えまくってるって事よ!」
も〜〜〜!こっちは貴方の事で滅茶苦茶頭働いてるっていうのに!
でも、私が言いたい事って…?
「俺が喧嘩売った相手が、この国の第3王子様であり、お前の婚約者だって所だろ?」
「そ、そうよ!どうしてそんな危険な事を…しかも、私の事でって!」
「そりゃ当然だろ。お前の事だからだよ」
「え……?」
リアムはそう言うと…いつもの無表情…だけど、口元は少し笑っている様に見えた。
そっと、リアムは私に近付く。
顔と顔が少し近い。
背は私よりも高いから、同い年とは思えない程大人びて見える。
「王族とか貴族とか、そんなのはどうだって良い。俺は、ジオルド・スティアートという1人の人間に勝負を挑んだ。
俺は、妹を、不幸せのどん底に突き落とす可能性しか見えない奴に、妹を任せたくない。
お前を利用して、自分の評価を上げるだけでなく、防波堤にしようとまで考えている…そんな奴に、家族を託したくないんだよ」
え……?
そういえば、確かゲームのジオルドも、婚約者のカタリナに興味0だし、その上利用価値は十分にあるとして、女避けの防波堤の様にしか扱っていないけれど……
「でも……私とジオルド様は、私の傷が治るまでの婚約関係のはずだから、私の傷が消えれば、即この関係は……」
私は、当然ゲームの内容は口にせずに……これまでのジオルドとの付き合いや情報を元に、リアムに聞き返す。
「いや、ジオルド様は…お前の怪我が治っても、絶対に婚約解消はしない。
お前を道具にしか思ってねぇんだよ、アイツは。
お前が思っている程、お前が気にかけてやる程、アイツは優しい奴じゃない」
「…どういう事?」
「俺、聴いちまったんだよ。お前の看病をしに行った日あっただろ?俺、その時からジオルド様の事怪しんでてさ…何か情報掴めないかと思って、跡を付けたんだよ。
玄関先でジオルド様は使用人と会話しててさ…俺、聴いちゃったんだよ。
正直、吐き気すら込み上げる様な…そんな内容だった」
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桐谷 - ohanaさん» 返信が遅くなり申し訳ございません!ありがとうございます!マイペース更新ですが、第3章も頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いします! (2021年6月4日 23時) (レス) id: f26afb3430 (このIDを非表示/違反報告)
ohana(プロフ) - 日々更新するのが楽しみなぐらい好きな作品です!今後も、応援してます、頑張ってください! (2021年6月2日 22時) (レス) id: 43410ab91f (このIDを非表示/違反報告)
桐谷 - 結城さん» コメントありがとうございます!結構な低更新ですが、今後とも頑張っていきます! (2021年5月24日 20時) (レス) id: f26afb3430 (このIDを非表示/違反報告)
結城 - 物凄く面白いです!!何回も読み直しました!!!続き楽しみに待ってます!!!! (2021年5月24日 0時) (レス) id: ca8b7f5d28 (このIDを非表示/違反報告)
桐谷 - 七夏さん» コメントありがとうございます!本日久々に更新致しました。今後ともよろしくお願いします! (2021年3月7日 23時) (レス) id: 98fa4274c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桐谷 | 作成日時:2020年12月19日 23時