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リアム・クラエス
貴族社会に生まれ
お家柄にも恵まれ
更に長男という立場にも恵まれた。
ただまぁ……それ以外は、何も取り柄のないどこにでもいる子供だ。
そんな俺は今…
家族と共に、ソルシエ王国の王宮に足を運んでいる。
「とても良くお似合いですよ、リアム様」
本音かどうか分からない事を言うこの成人男性は、俺の専属執事、ノア・クラークだ。
「……何で、俺まで王宮に」
「さっきから何度も仰りますけど、そう言いながらいつもいつもカタリナ様の我儘に付き合ってあげたでしょう？」
「いや、王宮は聞いてない。落ち着かない」
……早く家に帰りたい。
「はぁ…リアム様だと本当に心が落ち着きますわ」
「……え？」
「我儘は言わない、八つ当たりもしない、気分が変わっても表情1つ変えない……クラエス家のご子息としては申し分ないですわ」
「………」
メイド達が溜息を吐きながら“彼女”のいない所でひたすら愚痴る。
それを“彼女”の双子の兄である俺に愚痴るのもどうかと思うけど。
「もうじき、お嬢様はいつもの癇癪を――――」
「―――嫌よ、こんなの嫌ーーっ！」
「……起こしましたね」
「はぁ…」
別室の方から、ここまで響き渡る、聞き慣れた甲高い声。
「ノア、お前達も……それ絶対本人の耳に入れるなよ」
「ええ。少なくとも我々はお嬢様の前でうっかり口が滑る様な真似は致しませんよ。
ただ、他のメイドや執事の方々は陰でグチグチと言っておりますけど」
「ま、それで皆がクビになっても、ある意味向こうは万々歳だろうな」
「同意します」
「とりあえず、行くぞ」
「はい」
……
「カタリナ、そっちは支度終わ…」
「ちょっと聞きなさいよリアム!!」
双子の妹・カタリナのいる部屋の扉を開けた瞬間
カタリナは、癇癪を起こしながら急に俺に話しかける。
八つ当たりかよ。
で、話を聞く限り…
ピンクのリボンが良いのに、青しかない事にご立腹なのだそうだ。
「今の私はピンクが良いの！なのに青しかないって信じられないでしょ!?屋敷にも戻る事が出来ないって言われて、本当役に立たない！」
ビシッ！とカタリナは…コイツを担当した困り顔呆れ顔のメイド達に向けて指を差す。
「お前…ここ向かう前は「青が良い」って言ってただろ？」
「使用人なら私の気分が変わる事も考えて、替えぐらい用意するでしょ、常識的に！」
…理不尽過ぎる。
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桐谷 - 紗夜菜さん» 初めまして、コメントありがとうございます！現段階ではカタリナ曰く謎キャラなので、なるべく目立ち過ぎず、薄過ぎず、他の主要キャラと絡ませて話を進めていきたいと思います。 (2020年8月23日 17時) (
レス) id: 5b2885fab5 (このIDを非表示/違反報告)
紗夜菜(プロフ) - カタリナのお兄さんが逆にキャラが濃すぎでもなく、面白いです、応援してます！ (2020年8月23日 15時) (レス) id: feb92a0363 (このIDを非表示/違反報告)
桐谷 - かんなさん» 初めまして、ありがとうございます！ゆっくり亀更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (2020年8月16日 17時) (レス) id: 578378c135 (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - とても面白いです。更新楽しみにしてます！ (2020年8月14日 0時) (レス) id: d024afc4b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桐谷 | 作成日時：2020年4月16日 20時
