20年越しのラブソング 2

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その日の帰り道、

いつも中島先輩が送ってくれるんだけど

今日だけはすごく気まずかった。




長い沈黙と重い空気が私たちを包み込む。



と、ちょうどその時だった。






「 廉、くん…… 」


私の視線の先には

知らない女の人と仲よさそうに歩いてる

廉くんがいた。




余計気まずい。


先輩は今どう思って私を見てるんだろう。




すると次の瞬間、

先輩は何も言わずに私の手を握った。



びっくりして先輩の方を見ると

悔しそうに唇を噛み締めていた。





「 中島せn……っ 」


私が先輩を呼ぶ前に唇を塞がれた。





「 ごめん、理性ぶっ壊れちゃった 」



もうそれは、私の知ってる先輩じゃなかった。


急に怖くなった。





「 俺、奪うから 」



「 え…… 」



「 覚悟しててね、Aちゃん 」




目まぐるしく変わる先輩の表情に

私の心は全く追いつかなかった。





「 あ、それと、

先輩って呼び方やなんだけど 」




「 え、でも、先輩ですし… 」



「 俺のこと、先輩だなんて思わなくていいから

健人って呼んでよ 」



「 え〜 それは、無理です 」




「 なんで？ 」





まるで仔犬のような目で見つめてくる中島先輩。

いつもの優しい先輩とは全然違う。





「 は、恥ずかしいから ……// 」



「 まってむり、可愛すぎだから 」




私も先輩も顔が赤くなってて

それを隠すかのように抱きしめ合った。

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