純情ブルーローズ2【佐野玲於】

時の流れ ページ35

Aside









ここ数日は、現場の仕事がなくて


考案だったり
会議だったり

パソコンだったり






どれもやりがいはあるけど

やっぱり現場のお仕事が一番楽しい









お洋服も、着てるモデルさんも


雑誌で見るのと、自分の目で見るのとじゃ

やっぱ全然違う




違うけど

少しでもその服の良さを、可愛さを
そのまま伝わるようにするのが、私の仕事



そう思うと社内の仕事も身が引き締まる






気づいたら

今日やること、全部終わって
もう帰っていい時間









ちょっと、過去のでも見てこようかな









3階にある、資料室




今まで出版されてきた雑誌が全部保管されてて

全部読むってなったら3日あっても絶対足りない








ガチャってドア開けたら

誰もいなくて、薄暗い部屋




電気つけて








あ



これ、ミカちゃん

こっちにも、ミカちゃん





周り見れば
ミカちゃんが表紙の号がいくつもある






すごいな…



昔の号から見てくと
どんどん綺麗になってるの

最新号が、一番綺麗







これじゃ、玲於くんも……






だめだめ

ネガティブ思考、やめよう







開いてた雑誌閉じて、元の場所に戻して

電気消して資料室を出る







もうミカちゃんがいない現場も慣れて

…っていうのもなんかおかしいけど





そのくらい

この数ヶ月間、ミカちゃんとの仕事多かった




ふたりでご飯行くとかはなかったし
連絡先すら交換してないから

仲良かった、とかじゃないけど




…ミカちゃんいると変わるんだよね、現場の空気

もちろん、良い意味で






多分

周りの空気を明るくするのが得意なタイプ


愛されキャラって
こういうことかって妙に納得してた







まだミカちゃんが卒業してから2ヶ月くらいなのに

もう既に懐かしく感じる



時の流れ、早いなあ









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