純情ブルーローズ【佐野玲於】

宝石箱 ページ46

玲於side








玲於「 ごちそうさまでした〜 」


A「 ごちそうさまでした！」



「 またおいでね、ふたりとも 」


A「 もちろんです。笑 」






少し気持ち早めに店を出て

街灯もろくにない暗い路地を横に並んで歩く




玲於「 ねえAちゃん 」


A「 ん？」


玲於「 ちょっと寄り道してかない？」


A「 いいけど、どこ行くの？」


玲於「 内緒 」







できるだけ大通りを避けるように、今日のためにわざわざ覚えたいつもと違う複雑な道を歩いて

目的地に向かう




…どんな反応するかな


喜んでくれるといいな

Aちゃん好きだと思うんだけどな





A「 階段？上るの？」


玲於「 そう、階段上ればすぐわかるよ 」





先に俺が上れば、後ろからちょこちょこ登ってきて





A「 玲於くん？」


玲於「 Aちゃん、目ぎゅってつぶって？」





俺だけ上りきったところで


言われたとおりに目をぎゅっとつぶるAちゃんの手を優しくもって、

少しずつこっちに誘導する







玲於「 目、開けていいよ 」






A「 ……うわあ、綺麗… 」


玲於「 でしょ？」






少し前に見つけた絶景スポット


クリスマスシーズン、ここら辺にたくさんイルミネーションあるのは知ってたけど

下から見るのと上から見るのじゃ全然違う



暗闇の中に光だけキラキラしてて

本物の宝石箱みたいで



何度見ても綺麗






玲於「 気に入った？」


A「 うん、とても 」


玲於「 よかった 」


A「 …連れてきてくれてありがとう 」



玲於「 いーえ 」








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