純情ブルーローズ【佐野玲於】

初めての感覚 ページ4

玲於side






それからちょっとして俺らの撮影が始まって



シャッター切られるごとに少しずつポーズとか表情とか変えて

最初は苦手だったはずなのに気づけばもうそれが自然になってきてる




今は亜嵐くんの個人撮影

俺と涼太くんは終わったから待機中





涼太「 うわあの子かわいい 」


玲於「 ん？」


涼太「 ほら、あそこのカメラマンの隣の 」





涼太くんが指さす方には背の高い男とその奥に少し見える小さい人影

身長差が30cmくらいありそうな2人


んー顔が隠れて見えねえ






亜嵐「 はー！終わった！」


涼太「 お疲れ 」





撮影終わりの亜嵐くんが帰ってきたけど

今の俺にはそれに反応できる余裕すらない




それもこれも

こっちに向かって歩いてきた女の人のせい








…なんだ、これ

心臓が高鳴って全身の血が騒ぐみたいな感覚


馬鹿みたいだけど、本当にそんな感覚




歩いてくる女の人から目が離せなくて

むしろどんどん吸い込まれていきそうな



よくわかんねえけどこんな感覚は初めてで







涼太「 玲於大丈夫？なんか様子変だけど 」


玲於「 あ、いや、大丈夫 」


涼太「 そう？無理しないでね 」





涼太くんの優しい言葉に頷く









「 あの 」






可愛らしい声で話しかけてきた目の前の彼女




なんでかわかんないけど

もう俺の頭はこの人のことでいっぱいで





初めての感覚だった






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