孤独 (ページ15)

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公演当日。あぁなんか緊張する…

コンサートなんてテレビでちょこっとしか見たことないし一人だったら確実にパニクってたから、あのとき春夏を誘った自分を盛大に褒め称えたい。

最寄り駅で待ち合わせをして、言われた会場に向かう。

『えっと、地図的にここかな』

｢……A、本気で言ってる？｣

『うそ地図見間違えてる？』

｢電車でファンの人よく見かけたからまさかとは思ったけど…

ねぇ、お兄さんの名前なに…？｣

『ふっか…じゃなくて深澤辰哉』

｢は、まじで！？

いやリアルにこんなことっておきるもん！？｣

春夏ふっかのこと知ってるんだ。

まぁアイドル好きだもんなぁ

…あ、あの子が持ってるのふっかのうちわじゃん。

なんか変な感じ、

｢A、知らないかもしれないけどSnow Manって今すごいんだよ？｣

春夏が会場の大きい電光掲示板に映るSnow Manの文字を指さして言う。

Snow Man… 雪男…

｢あ、やばいそろそろ始まる！行こ！｣

人生初のコンサートが家族のなんて、当たり前だけどこの間までちっとも考えたことなかった。

はぁぁ、なんでこんな緊張するんだろ。
大学の合格発表並に緊張するんだけど…

｢受付の人に名前言えば入れてもらえるから！｣って言われたのを思い出して関係者入口に向かうと、名前を言ったらすぐに通してもらえた。

ちなみに、関係者席じゃなくて普通の席らしいから少し安心。関係者席とか申し訳ないし…