無個性 8 ページ10
「こ、此処だよね。」
家を出て四十分弱。
やっとの思いで学校に辿り着いた。
肩が大きく上下している。
仕方無い。だって疲れた。
「・・・・行きたくない。」
いっそ下駄箱に置いてしまおうか。
もしくは担任の先生にでも・・・・いやいや。そもそも先生の顔が分からない。
・・・・・行くしかない。
-------------
職員室で兄のクラスを聞き、その場所へ赴く。
足取りは重いまま。寧ろもっと重くなった気がする。
「・・・・・・」
憂鬱な気分で、兄のクラスの前に立つ。
妙にガヤガヤしていて、中から怒鳴り声が聞こえる。
きっと兄だ。
嗚呼嫌だ。尚更嫌だ。
怒っているのに更に怒らせる。
「・・・・・」
大きく深呼吸して、心を落ち着かせる。
「・・・・・よしっ」
気合を入れて、扉に手を掛ける。
「そういや、爆豪。お前の妹ちゃん・・・・優己ちゃんだっけ？その子、無個性なんだってな。」
伸び掛けた手を引っ込めてしまった。
背中から、嫌な冷や汗が流れる。
中の様子を暫く伺う事にしよう。
「アア゛？んでアイツが出て来んだよ！」
『アイツ』
兄はずっと、私の名前を呼んでくれない。
最後に呼んでくれたのは、何時だったろう？
「可愛いよなぁ。あれなら、モデルとか出来るよな〜〜」
「え？マジで！？おい、爆豪！今度紹介しろよ！」
「可愛いぜぇ！爆豪の妹ちゃん！良いよなぁ、あんな自慢の妹が居てよ！」
「・・・・・」
『自慢の妹』か・・・・
私は、そんなものと程遠いだろう。
自慢なら、兄は私をゴミ扱いしない。
「・・・・あんな無個性のクズ、妹でも何でもねェよ。」
『妹でもない』
そう言われたのは、初めてだった。
其れは私が、貴方の家族じゃ無いという事？
気付いたら、泣いていた。
止めて
お願い。私の存在自体を、否定しないで
「・・・・優己ちゃん？」
「！！・・・・い、いずくん・・・」
振り向いた先には、困惑した顔のいずくんが居た。
「ど、どうしたの？かっちゃんに用事？」
突然現れたいずくんに対し、気不味くて私は手で顔を覆った。
「あ、ごめんね。かっちゃん呼ぼうか？」
そう言って、さっきの私と同じ様に扉に手を掛けた。
『嫌だ。』
そう思ったら、居てもたっても居られなくなった。
「い、いずくん・・・！ごめ・・・此れ、お兄ちゃんに・・・・渡してくれる？わ、私・・・む、無理だから・・・」
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ソイク(プロフ) - 名前変更ってないんですか？ (2021年9月18日 2時) (
レス) id: 145d3835ef (このIDを非表示/違反報告)
はな - 名前変換は簡単なのでしてほしいです (2019年12月31日 13時) (レス) id: 32e6686df9 (このIDを非表示/違反報告)
悠吏(プロフ) - もし良かったら、名前変換出来るようにしてほしいです…(´･ω･｀) (2019年5月29日 14時) (レス) id: 0ccaf131b5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - もっと優己ちゃん出してほしいけど、原作見返してるみたいでおさらいになるのでこれも良き。 (2019年2月13日 16時) (レス) id: 071a98174c (このIDを非表示/違反報告)
アカヤ - 毎日チェックしちゃうくらい大好きです！これからも頑張ってください！！ (2019年2月12日 18時) (レス) id: 028fbbb864 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四面楚歌 | 作成日時：2019年1月18日 23時
